今回の原子力関係の事故調査委員のようなものを任された畑村先生。以前から失敗学で各メディアに出演されていましたが、三陸海岸の石碑「ここから下に家を建てるべからず」というのはその当時(以前から)紹介されており、先人が石碑を建てることで注意喚起をしていた。しかし、すでに下には多くの人家が建てられているという事象が語られていました。(NHKの番組でも紹介されていました。)
今回は津波と原発について短時間で過去の資料からとりまとめられたという内容です。
津波の防波堤は安全ではなく、津波の時間を遅らせるための1ツールであるという話をされ、そこに取り巻く安心感、何度も津波に会いながら大事には至らないため、「オオカミ少年」的な状況により逃げ遅れたケースも考えられるという考え。畑村先生が以前から言われ続けた警告がまさに現実になりました。もし少し被害が少なくできた、と。また職業倫理的に被害にあわれた方も多くあり、美談として取り上げられているが、社会システムのようなものでもっと死なずに済んだ方法があったのではないかと敢えて厳しく提言されている。
原子力については「原子力村」と「極端な原発反対論者」との間との闘争により強固な「原発は絶対安全です」という神話を作り上げた構図を通して、事故に至る現象・マインドを説く。
報道や雑誌・書籍等ですでに多くの今回の震災事情については語られていますが、かなり以前から津波と原発に警告され続けた畑村先生の本として手に取った次第です。