デビュー作の『銀行秘書室』が面白かったので、人気のある本作も読んでみた。表題が示すとおり、
ヒロインはふたりの未亡人[終盤に15歳の女子高生(サブヒロインの娘)も出てくるが、あくまでオマケ]
メインヒロインの理佐子(27歳)は貞淑さが引き立ち、亡き夫の仇敵に犯されるとあって、
凌辱モノならではの醍醐味があじわえた。たぶん夢野氏はこの手のタイプが大好物なのに違いない。
理佐子への責めには情念がこもっていた。それに比べてもうひとりの未亡人(多江/35歳)の
描写には正直ガッカリ。『しっかり者』『勝気』という設定にもかかわらず、実に『あっけない』のだ。
ともすると座敷犬がキャンキャン吠えているみたいで「口ほどにもない」と興醒めしてしまった。
さらに不満を述べるなら、『銀行秘書室』で使った比喩、言い回しを多用しているのもどうかと思った。
まさかコピー&ペーストはしていないだろうが、かといって『書き癖』というレベルでもなく、
たびたび既視感をいだかされた。これは決してプラスにはならないと思う(個人的には改善してほしい)
とはいえ作風自体はストライクゾーンなので、氏の作品をもう少し追いかけてみたい。