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20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
遠い―あまりにも遠い。,
By sorin (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 木洩れ日に泳ぐ魚 (単行本)
たった一夜の物語、それもごく数時間だけの物語。回想シーンでは遠く白樺山地まで飛ぶが、中心はアパートの一室という、限りなく閉じた世界の物語。 同じアパートの一室に住む、わけありの男女二人が、気まぐれで行った旅行から運命に翻弄され、猜疑と葛藤にさいなまれるミステリ。 かなりねじまがった表現ではあるが、恋愛要素が多く、主要人物が限りなく少ないというのも恩田陸にしては珍しい感触。 作品世界としては「黒と茶の幻想」「まひるの月を追いかけて」の紀行小説の側面、「蛇行する川のほとり」のノスタルジックかつ、耽美的な側面を兼ね揃えた作品。これらの既発表作が好きな人にはストレートな物語です。 ラストの受け取り方は人それぞれかと思うが、純文学的な性格を帯びてきたようにも感じた。ちなみにタイトルに連動した、遊びの利いたカバーも出色の出来なので、ゼヒ手に取ってください。 「公明正大な朝が来る。朝というのは人を正気にさせ、全てを日常に引き戻す。数時間前に重大に思えたことがちっぽけなものになり、妖しく輝いて見えたものが安っぽく色褪せて見える。」 本文244ページより
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
適切な価格で手に入れる読書の喜び,
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レビュー対象商品: 木洩れ日に泳ぐ魚 (単行本)
一組の男女が、彼らの別れの晩に、酒を酌み交わしながら、過去に起こったあるできごとについて話をする、という小説。章ごとに男女の視点が入れ替わり、夜が明けて、この物語が終わる頃に、 このできごとのひとつの可能性としての真相が浮かび上がってくる。 恩田陸の最高傑作だとは思わないけれど、序盤の盛り上げかた、クライマックスのタイミングや展開が巧いのはさすがです。 最近の恩田作品の中では終わり方も綺麗にまとまっていると言えると思いますし、初めて恩田作品を読む方にも入りやすい作品ではないでしょうか。 休日の前の夜、少し夜更かしして一晩で一気に読み、適切な価格で物語のわくわく感と読書の喜びを味わったことに満足して眠りにつける、そんな小説です。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
おもしろいけど。,
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レビュー対象商品: 木洩れ日に泳ぐ魚 (単行本)
登場人物が二人の、お芝居を見ているような作品です。実際に舞台好きの著者が、脚本のつもりで書いたのではないでしょうか。 そう思って読むと、 暗いステージ上で演技する二人がふっと頭に浮かんできて、 リアル感が増しました。 別れの日を前にした二人が、 お酒を飲みながら過去を振り返るというストーリーです。 気になることがあったからそれについて話していたのに、 何故か他の恐ろしい事実を目の当たりにしてしまう。 出先で、家の鍵を閉めてきたかな??と気になったとき、 あれ、ガスがつけっぱなしだったんじゃ・・と、 いろいろ心配になることがありますよね。 そういった展開の仕方です。 この場合、急いで家に帰れば不安は消し去ることができます。 でも、本書ではあくまでも仮定を二人で言い合うだけで、 疑問を解消する手だてがないので、 ちょっとイライラしました。 白黒はっきりさせたいタイプの私には向かないストーリーだったかな、 と言う結論で☆三つです。
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