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木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)
 
 

木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫) [文庫]

チェスタトン
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

この世の終わりが来たようなある奇妙な夕焼けの晩、十九世紀ロンドンの一画サフラン・パークに、一人の詩人が姿をあらわした。それは、幾重にも張りめぐらされた陰謀、壮大な冒険活劇の始まりだった。日曜日から土曜日まで、七曜を名乗る男たちが巣くう秘密結社とは。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

チェスタトン,ギルバート・キース
1874‐1936。ロンドン生まれのジャーナリスト、詩人。名門パブリック・スクールを出たあと、一時、画家をこころざす。出版社に勤めながら、詩、書評などを書く。探偵小説として名高い「ブラウン神父シリーズ」(短編集全5作)を、25年にわたって世に問う

南條 竹則
東京生まれ。小説『酒仙』で第5回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 352ページ
  • 出版社: 光文社 (2008/5/13)
  • ISBN-10: 4334751571
  • ISBN-13: 978-4334751579
  • 発売日: 2008/5/13
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 ファンタスティック、奇想天外な物語, 2009/5/30
By 
東の風 (埼玉県幸手市) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ100レビュアー)   
レビュー対象商品: 木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
 吉田健一訳の『木曜の男』(創元推理文庫)以来、南條竹則の新訳による本作品を久しぶりに読んでみました。

 主人公ガブリエル・サイムの恐れと不安がスリリングな熱気をはらむ前半から中盤にかけての歩みと、俄然、一点に向けて物語が収束していく後半のスピーディーな展開と。本文庫の「訳者あとがき」に<この話が一種壮大なピクニック譚だ>とありますが、第十一章「犯罪者が警察を追う」以降の展開は、確かに、ファンタスティックな幻想「ピクニック譚」と言ってもいい妙味がありますね。はらはら、どきどきしながら、頁をめくっていました。

 ガブリエル・サイムとガブリエル・ゲイル、主人公の名前が似ていること。「金色の太陽」というカフェと「昇る太陽」という宿屋、話の中に出てくる店の名に、両方とも「太陽」の二文字が入っていること。本作品(1908)のおよそ二十年後に書かれたチェスタトンの『詩人と狂人たち』(1929)のことを、ふっと思い浮かべたりもしました。

 訳文は読みやすかったです。吉田健一の訳文の独特な旨味、あれはもう一種の名人芸かなと。文章の馴染みやすさ、分かりやすさという点では、この南條訳に軍配が上がるでしょうか。でも、どちらもそれぞれにいい訳だと思います。蛇足ですが、南條竹則訳では英国怪談のアンソロジー『怪談の悦び』がとても気に入っています。

 それと、訳者による本文庫の「解説」、これがよかったなあ。チェスタトンの思想、友人に恵まれたその人生を、ささっとスケッチして見せてくれたような案内文。奇想天外なこの物語を書いた作者の人となり、その一端に触れ得た思い。読みごたえ、ありました。解説文の途中に挟まれた一枚の絵も、雰囲気があって魅力的。机に向かって何か書いているチェスタトンと、それを見守っているふたりの親友、モーリス・ベアリングとヒレア・ベロックを描いたこの絵は、ジェイムズ・ガンの「団欒図」(1932)。
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32 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 100年前のメタ探偵小説, 2008/5/25
レビュー対象商品: 木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
何度も邦訳されていますが、ただの探偵小説ではない本作は2008年で原作からちょうど100年(帯でも解説でも触れていませんが)。タイトルにもこだわったよい出来になっています。

探偵(といっても警察組織の一員)が無政府主義者の組織(いまだったらテロ組織)に潜入。爆弾テロを防ごうとしますが、実はその組織とは・・・というすばらしい展開です。秘密をさぐって答えを導くのではなく、おおげさにいえば「探偵とは何か」が哲学的に問われています。正統的な文学=哲学小説。

しかも文章がうまい。100年前のイギリスの「大衆」の無気味さとか、人物たちのかけひきとか、キリスト教とか。私小説的かつ寓話的。すごい小説です。

ちなみに、邦訳がでたばかりのS・ジジェク『ロベスピエール/毛沢東』(河出文庫)でも引用されていて、思想史の文脈でも興味深い作品です。光文社さんの古典新訳シリーズの題材の選び方はおもしろいですね。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これは悪夢なのか?, 2008/10/29
By 
ななしんぼ (東京都) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫) (文庫)
 「人生はアップでみると悲劇だが、ロングでみれば喜劇である」
というチャップリンの言葉があるが、本書を読んでそれがあたまにうかんだ。

 なるほど、この作品に書かれていることは、主人公であるサイムにとっては悪夢にちがいない。
しかし読者にとっては、グレゴリーとの議論をはじめとする、サイムと登場人物たちの逆説やユーモアに
みちたやりとりは楽しいし。「木曜日」と「金曜日」による暗号のやりとりはギャグであるし。
物語の中盤からくりひろげられる逃走劇と追走劇はまさにドタバタ喜劇である。

 ほかのレビュアーのかたが書いているように、本作品から哲学や作者の苦悩をよみとることも可能である。
しかしまた、本作は良質なエンターテイメントでもあるのだ。
これから本書を読もうというかたも、小難しいかもとは思わずに、気軽に手にとっていただきたい。
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