最後の宮大工棟梁といわれた西岡常一さんの仕事を、
「木のいのちきのこころ」で三部作としてまとめられた塩野米松さんの
木工仕事についての入門書です。
日本人がいかに木について洞察があり、特長を生かした木工品をものをつくってきたのか、
とても平易な文章で書かれています。
木工仕事について、木についての知識がなくても、図解入りで説明されていて、
つい最近までの日本人が、いかに四季に移り変わりとともに暮らし、
自然や木について造詣が深かったのかがわかります。
むやみに木を切らず、木とともに生活をする。
ほんの少し前の日本人の生活であったのに、
今や忘れられようとしています。
大量生産、大量消費の時代が、ひずみを見せ始めた現在、
この失われつつある生活を見直べきという思いがこの本から伝わってきます。
すべての漢字にルビをふっているのも、
少しでもこれからの未来を生きる子供たちにも読んでもらたいという願いが感じられます。
木に興味がある方だけではなく、
森林荒廃がすすむ山を見て、このままではと憂いを感じる人にもお勧めの本です。