良く考えれば、日本には正倉院など国宝の木造建築物が現存している。それらの千数百年の建築物は間違いなく国産材であり、湿度の高い日本の風土に最適な形であるからこそ、現在も堅牢さを保ちながら、存在しているものだと思われる。
本書には、小林建設さんの木の家のこだわりとして
1.地域材を使って超寿命の家を実現すること
2.地域の専門業者とネットワークを組み、地場産業の利点を活かし発展させていくこと
3.木や自然素材の持つ美しさを最大限に活かしてデザインし、開放的な間取りとすること
4.冬暖かく、夏涼しい家を作るためのパッシブデザインを取り入れること
と書いてあるが、特に、2については、すぐに出来るようなものでは無く、相当な思考錯誤やひたむきが努力があったものと思われる。
また小林建設さんの家づくりは、施主が持つ土地の分析から始まるところがすばらしい。
敷地の広さ、形、向き、日照時間、風の通り、街並や周辺環境との調和と住む人の家族への思いや家への夢を実現させるため、社長自らが直接聞き、1軒1軒を丁寧にまとめあげているということである。これらの満足度の高い仕事が認められ業界初のグッドデザイン賞へつながり、その地域材を使用することの積み重ねとなり、環境について造詣の深いC.W 二コル氏が本書の帯で紹介されるようになっものと推察される。
日本の森林が荒れている原因としては様々要因が考えられる。
その一番の理由が採算不足による後継者不足、下刈りなどの労働力不足などによる林業の撤退、切がないほどの理由が考えられる。現状は山は荒れ、下刈りのされていない山々がある。
もし小林建設さんの考え方が各地域の地域に根ざした工務店が同じような考え方になれば、
日本の山は少しでも荒れずに、さらに、そこで働く雇用も確保され、林業で生計が立てられる人が増えることで、コストも下げれるという好循環の可能性がある。
小林建設さんは日本の地域材にこだわり続けた現在の匠なのかもしれない。
小林建設さんの家づくりの考え方や志が、埼玉や群馬から、全国に展開していくことを、期待し、暖かく見守りたい。