第1部「月と森と木の秘密」では、なかばおとぎ話のように思えてしまう不思議な実例がならぶ。「月からのメッセージに従った正しい伐採時期」というのがあるという。第2部 「人と木の共生」では、そうやって伐りだされた無垢の木材が塗料など化学物質を一切使わなくても、耐久性、防火性、断熱性、対電磁波、対害虫などすべての点で、いかにすぐれているかが説明される。第3部「実用的な情報とアドバイス」ではさらに具体的な数値や情報に話が及び、何年、何月何日に木を伐れとまである。
月と木の不思議な関係、これほど言われると、やはり「なぜ?」が知りたい。科学的証明でなくても、著者の仮説でもよいから。それがいまだ解明されていないことに対し、著者は有名な物理学者の言葉を引用し、「ただ単に科学的な裏付けがないとか、まだ証明されていないというだけで、わたしがその関連性や現象を否定するなら、それは不遜というものでしょう」と説明しているのだが、この点に納得がいかない向きも多いのではないだろうか。
時、まさにエコロジーの時代。シックハウス被害が多数報告されるなかで、無垢の木で作った家が日本でも見直されている。無垢の木の良さをうたう本がたくさんあるなかで、伐採時期のこだわりを説き、環境立国ドイツで反響を呼んだ本書は異色の1冊といえるかもしれない。(中山ケンタ)
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シックハウスが問題になっているものの、市場に出回る木材が有害化学物質まみれになっていることはほとんど知られていない。これもまた我々消費者の関心の低さが根っこの問題のように思う。私自身、最近になって住まいに興味を持ち始め、情報を集めるうちに、どうして我々が豊かさを実感できないのか、なんとなくわかってきたような気がする。街でマンション暮らしをする我々にとって住まい=インテリでしかない。何でできているのかわからない箱の中の表面だけ取り繕って暮らしているようなもの。人生の半分なり、1/3なりを過ごす住まいについて、あまりに無防備すぎる。
この「新月の木」については科学的な証明がしきれていない、というのもさらに心をくすぐられる。私たちは自分の暮らしの豊かさについて、もっと貪欲にならなきゃいけない。自然はお金持ちのためにあるわけではなく、ただそこに存在しているわけで、それを上手に使いこなすことこそ、人間の知恵を集結すべきことだと思う。
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