アクション映画のようなハイテク満載の頭脳戦や、派手な立ち回り。伏線に継ぐ伏線が集約していく心地よさ。それだけでも十二分に人をひきつける作品である。そして、この主人公がまた魅力的なのだ。恭介は相変わらず自信に満ちていて、自分がこのゲームを落とせると知っている。
本作での恭介は追われている。川瀬に、日本の警察に、そしてCIAに。それがどんなにすさまじくとも、こいつなら生き延びるのではないかと思わせるのが、朝倉恭介なのだ。
常に組織と戦ってきた恭介。知力も体力もお金もあるが、味方はいない。川瀬はフリーのジャーナリスト。しかし、背後に新聞社がついている。恭介を追っているのはいずれも巨大な組織だ。本作では、恭介の孤独感が浮き彫りにされ、より人間くさい部分がちらりと顔を出す。そして、それが恭介を追い詰めていく。
本作だけでも抜群なエンターテイメント性を見せている。だが、伏線は本作だけに限らない。過去の5作に隠された伏線も多く、それだけに、つい、6部全作を読み返したくなる。(つちだみき) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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