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望郷と海 (ちくま文庫)
  

望郷と海 (ちくま文庫) [文庫]

石原 吉郎
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1945年、ハルピンでソ連軍に抑留され、1953年に特赦で日本に帰還した著者が、シベリア各地のラーゲリを転々とした体験をもとに執筆した全エッセイを収録。極寒の地での激しい労働、栄養失調、同囚の密告などに耐えて生き続ける人間の姿と、何よりも厳しく自己自身の精神と魂のありようを静かに見つめ続けた希有な記録である。

登録情報

  • 文庫: 329ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1990/12)
  • ISBN-10: 4480024921
  • ISBN-13: 978-4480024923
  • 発売日: 1990/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 708,786位 (本のベストセラーを見る)
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形式:文庫
このような文章で、戦争を、戦争における極限状態での人間を記録した人を僕は他に知らない。
この本に収録されている名文「ペシミストの勇気について」の中で、石原は強制収容所における生活を自己の生存のための行為を含めて「被害者」の立場から眺め書くだけでなく、「被害と加害が同在するという現実」に位置づけて書いている。
そして、全ての望みを失い、ペシミストになることで保てた、ペシミストの明晰な目を持つ事で保てた友人鹿野の人間性に、石原は光を見出す。告発が告発であることが不毛となり沈黙(空席)の中でしか告発できない状況下にあってペシミストになることで示した人間の尊厳の価値を、石原は極限状態にありながらも見逃さない。
彼の痛烈な精神に圧倒されながらも、「被害者の中から人間は生まれない。加害者がその意識を自己に向けた時に人間は生まれる」という彼の祈りに近い言葉を、現代にあてはめて考えてみる(あえて国は限定しない)。
すると、現代の社会構造(世界構造)が人間の自立を保障せずに「被害者意識」という残酷なものの中に差別などで人を閉じ込め、また、その構造に加担しながらもそれを意識せずに生きている人が自分を含めて多いことに気付かされる。こうして石原が戦争体験の中で見つめた人間というものは、現代にも生き続けているのである。
だから、この本は「かつての戦争(この戦争もまだ終わっていない)」における人間の記録としてだけでなく、時代を超えた人間への眼差しで我々に訴えかけてくるところにも価値を内在させているのだ。
そして、歴史の一部分を生きる者として石原の人間への眼差しを見つめ直さなければならないと、僕は思う。
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By roy_s
形式:文庫
詩人石原吉郎は、1945年、ハルビンでソ連軍に捉えられ、1953年の帰国までの大部分を、(単なる捕虜でなく) 戦犯として、シベリアで過酷な囚人生活を送った。

本書は1970年前後に出版されたエッセイ13編と手紙1通、他に1956年から60年台までの「ノートから」を含む。

著者の文章は、分かりにくい部分もあるが、核心をつく発言をしている。

「強制された日常から」には、次のような記述がある:

(著者たちは一度に3、4日ずつ囚人列車で護送され、1日1回しか便所に行けない)
==わずか三日間の輸送のあいだに経験させられたかずかずの苦痛は、私たちのなかへかろうじてささえて来た一種昂然たるものを、あとかたもなく押しつぶした。ペレスールカ(中継収容所)での私たちの言動には、すでに卑屈なもののかげが掩いがたくつきまとっており、誰もがおたがいの卑屈さに目をそむけあった。==

(囚人は、ノルマ達成度によって食事の量に差をつけられた)
==このいわば<不動食>にありつくために、多少とも体力の残っている囚人は、その全力をかけるのである。そのあげくにかろうじてありつく増食が、そのために消耗した体力をまかなうことはほとんどない。私たちはながい適応の経験から、そのことを知りつくしているはずであった。だが、現実に目の前に置かれる日ごとのパンの重みは、結局は一切の教訓をのりこえる。==

==このような食事がさいげんもなく続くにつれて、私たちは、人間とは最終的に一人の規模で、許しがたく生命を犯しあわざるをえないものであるという、確信に近いものに到達する。・・・その強制にさいげんもなく呼応したことは、あくまで支配される者の側の堕落である。しかも私たちは、甘んじて堕落したとはっきりいわなければならない。==
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By kaizen #1殿堂
形式:文庫
シベリア抑留という捕虜生活の実情を語っている。
戦時なので、捕虜にまで人権を意識することは難しい。
それでも、事実としての記録がないと、歴史は繰り返される。
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