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会社設立の本は、小さな書店でも必ず1冊は扱っているという実用書の定番だが、それだけに、どれも同じような印象を受けてしまう。しかし、本書の場合、会社の設立以上に重要な開業資金について序章でページを割き、第4章では会社設立後から最初の決算までの経理概略に触れ、さらに第5章では、設立・運営する上での各種トラブルの解決マニュアルがQ&A形式で説明されているなど、「より実用的に」という試みが見られる。
会社は「社長になるための場」だったり、「自己実現の場」であったりするかもしれないが、「資本増殖の場」とも考えられる。となれば、会社をつくること以上に、そこで動かすべき金の話がより重要になってくる。その意味では、本書は設立時の資金の話、その後の経理の話を細かく説明しており、他の類書と一線を画している。
さらに「会社の設立・運営での各種トラブルの解決マニュアル」は、ありがちなトラブルやよくある疑問を20件ほど取り上げ、簡単な解説をつけている。これは、非常に便利で、これだけでも本書を選択する意味があるだろう。できれば、Q&Aの数がもう少しあるとよいが、それは贅沢というものか。
なお、法務局の電子化が進行しつつあり、本の中で取り上げられている「登記簿謄本と同一の用紙」などは、機械処理向けの用紙に変更されつつあり、この本での用紙のままでは不都合が生じる場合も考えられるということを指摘しておきたい。(佐久間 裕幸)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
ブックレビュー社
自分で手続きをしたい人に向けた有限会社の設立指南書。会社運営をめぐって起こりそうな諸問題についても解説 空前の起業ブームである。ネット・ベンチャーだけでなく,脱サラで起業しようという中高年層も少なくない。しかし,信用を得るために個人事業ではなく,会社を設立するとなると,その手続きは煩雑だ。定款の作成・認証,出資金の払い込み,登記申請といったさまざまなプロセスを踏まねばならない。設立後も,税務署や労働基準監督署,社会保険事務所などの届け出が待っている。専門家である司法書士に依頼すれば簡単だが,これには費用がかかる。本書は,あくまでも自分で手続きをしたい人に向けた有限会社の設立指南書で,97年に発行された初版の改訂版。
本書の大きな特徴は,単に設立手続きのマニュアルだけにとどまらず,第1回の決算を迎えるまでの会社運営をめぐって起こりそうな諸問題についても解説している点だ。貸借対照表や損益計算書の作成の仕方をはじめ,取引先が代金の支払いを手形にしてきた場合の対処法など,具体的なアドバイスをしている。 (ブックレビュー社)
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