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有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫)
 
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有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫) [文庫]

兵頭 二十八
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

最強のロシア陸軍に対抗する最新式の歩兵銃と野戦砲。その開発にかけた明治のテクノクラートの足跡を軍事の奇才が描く話題作。

内容(「MARC」データベースより)

歩兵銃と野戦砲、その弾薬や信管までを一人で設計し、日露戦争の勝利を陰で支えた男、有坂成章。人知れぬ栄誉と屈辱を一身に味わった明治テクノエリートに光を当てるノンフィクション。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 199ページ
  • 出版社: 光人社 (2009/10/30)
  • ISBN-10: 4769826222
  • ISBN-13: 978-4769826224
  • 発売日: 2009/10/30
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 濱哲
形式:文庫
熊撃ちに「またぎ」が使う「村田銃」を手にしてみたことがある。設計者のバランス感覚の良さを感じさせたが、そうか、あれは民間の狩猟用に、軍用とは別に製造・販売されたものだったんだ、どうりで。
三八式歩兵銃も手に取って見たことがある。評価の分かれる兵器だが、命中率は悪くないものの完成品にバラツキがあって個別的な扱いが必要なため、部品交換したあとなど、かなり調整に手間どったと作家「五味川純平」氏が自らの体験を何かに書いていた。
「斬込み隊」とて白刃を揮って敵陣に切り込んだりする攻撃ではない。また「突撃」も、横一線に並んで銃剣を先に突っ込むような攻撃ではない。あれは一種の比喩的文学表現にすぎないと、やはり、評論家「山本七平」氏が書いていた。実際、「斬込み隊」とは、夜陰に紛れて敵陣内に侵入し手榴弾や地雷などを投じてくる攻撃方法であり、「突撃」は、地物に沿いながら小銃を連射しつつ急速前進する攻撃姿勢をとることだったというのが本当のところ。
日露戦争での日本軍勝利は、以上のごとき前提のもと、駐退復坐機構を完備した露軍野戦砲に対する日本軍野戦砲陣の劣勢を、歩兵の主兵器だった三十年式有坂銃が射撃性能の優越で辛くも跳ね返した勝利だったと、著者は解く。
日本陸軍が、第2次大戦の最後まで、三十年式の後継・三八式歩兵銃を棄てられなかったのは、自動小銃採用に伴う桁違いの発射弾数増加に応じるだけの弾薬補給体制を構築する目処が立てられなかったためだったと解く。
本書、兵頭二十八氏らしく、総じて手堅い研究に裏付けられた兵器技術への具体的な解説で、いわゆる通説なるものが、どこで誤ったのか、なにゆえに誤っているかを、じつに、すっきりと解き明かしている。
たんにメカオタクな分野に止まらず、戦争というものを本当の意味で理解するのに必要とされる軍事行政への理解も、兵器開発者「有坂茂章」の軌跡を追う本書によって得ることができるといえよう。
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 日露戦争といえば我々にとって馴染み深いのは坂の上の雲であろう。故司馬遼太郎の最高傑作とも言えるこの本を事実として認識してしまっている人は数多いだろう。しかしながら司馬氏が示したのは司馬氏の見方であって、それは全て正しいと限らない。

 この本の著者である兵頭氏は日露戦争の勝因の一つに有坂成章が設計した三十年式歩兵銃をあげている。この銃の優秀性は本書をお読みいただければおわかりいただける。そうすればこの銃は確かに勝因の一つであることに納得いただけるだろう。日本人が国際舞台で注目を集めた時代、それを見直すにはこういった見方も必要なのであろう。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By じゃが〜 トップ500レビュアー
形式:単行本
 有坂銃とは第二次大戦まで日本軍が採用していた小銃(38式)の原型となった30式小銃のことである。海外では38式まで含めてアリサカ・ライフルと呼ばれるそうである。
 この本では、岩国出身の有坂成章(ありさか・なりあきら)が明治25年から明治44年まで、ほとんど一人で陸軍用大砲のほとんどすべてを設計し、製造の指揮を執った事実を淡々を記述していく。残念ながら当時の日本の国力では満足のいく精度と量産性を両立させることは難しかったようである。特に大砲の砲弾の信管は距離や目的により様々に変えなくてはならないため、有坂は生涯のほとんどを信管の改良に捧げたようなものである。
その繁忙のさなか、わずか3ヶ月で設計した30式小銃が日露戦争勝利の勝因であると筆者は分析する。命中率の良さ、小さい日本人に合った大きさ、弱小国でも大量生産可能な省資源の小さな弾丸、これらをほぼ全ての将兵に行き渡らせることに成功したこと等が特徴である。
 また、火器のほとんどを一人が掌握しているため、全体を見渡して装備を揃えることが出来たし、不具合もすべて有坂に報告され、彼が改善策を練る。昭和の日本軍になると、このような一貫制はなくなり、兵器(特に航空機に関して)数々の悲惨なデスマーチが発生した。
 最後に筆者が述べるのは、日本人の創造力の特徴についてである。小銃や車のような限られた制約の中で作る必要がある製品については良い物が出来上がるのに対して、戦闘機やコンピュータのような制約が少なくて性能の向上が激しいものについては、どうも苦手なのではないかということである。
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