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月食の日
 
 

月食の日 [単行本]

木村 紅美
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,450 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

まるでやわらかな幾何学のように描かれた人間関係。全盲の青年をめぐる人々を、鮮やかに切り替わる視点で活写する傑作!「たそがれ刻はにぎやかに」を併録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

木村 紅美
1976年、兵庫県生まれ。その後、福岡県、千葉県、宮城県などに住む。明治学院大学文学部芸術学科卒業。2006年、「風化する女」で第102回文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 159ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/9/26)
  • ISBN-10: 4163278109
  • ISBN-13: 978-4163278100
  • 発売日: 2009/9/26
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 やさしい、音楽のような小説, 2010/1/30
レビュー対象商品: 月食の日 (単行本)
全盲の青年がいる。一躍有名になった某ピアニストのように、特別な才能があるわけでもなく、
全盲の多く人がそうするようにマッサージを生業として、アパートにひとり暮らしをししている。
そして、彼の周囲にいる友人、隣人、昔の知り合いの妻もまた、どこにでもいる人々。
何か特別な事件が起こるわけでもない。
それでも、「ああ、そうね、そう思うよね、感じるよね、うんうん」と、
読みながら何度か、登場人物の誰かに自身の想いを重ねていった。
心地よい音楽に身をまかせるような、そんな気分になった1冊。
初めて読んだ、知った作家だが、すごい才能を感じ、
私の目下、注目の作家さんになりました。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 都会の一風景, 2011/7/28
レビュー対象商品: 月食の日 (単行本)
「月食の日」
この作者の文章には特徴があって、地の文→会話文→地の文、と流れる中で、ある会話を思い出したものが「」(カギカッコ)で記され、次の地の文で意識が飛んで回想になり、改行後、また現在に戻る、というような、いわゆる「意識の流れ」の手法が使われている。
この作品でも、語る対象がある人物から別の人物に移り、過去に行って、視点人物が変わって、と改行ごとに記される内容が飛んでいく。それに慣れれば楽しいが、慣れないと読みづらい。視点の切り替わり、とも言う。映画で言えば、カメラ位置がどんどん変わり、カットインが繰り返される、といた感じか。ちょっと芸術っぽくなる。

最初のシーンだと、隆の元恋人の路子のアパートの外壁の色についての感想→アパートの住民について→隣人についての回想→友人の里奈の香水→隣室の鈴木まどかの視点で大家とのやりとり→アパートの入り口での二人のやり取り→それぞれの視点で、まどかは買い物、隆は部屋→現在(日曜日)の視点に戻る。

一行空けて、隆と津田幸正との再会の前の、女友達との食事→電車で幸正の視点に変わり→同僚OLをライブに誘った話→ボランティア会(JRC)での隆とのやり取りの回想→幸正が声をかけ、二人で電車を降りる。

一行空けて、路子視点で隆と美術館に行ったときの話(夢、ということか)/一行空けて、幸正からの電話、隆の出かける準備/一行空けて、津田詩織視点、幸正との結婚、退職、流産といった回想→幸正視点で同僚OLと太ってきた妻の比較
一行空けて、隆と幸正との再会時のやり取り、思い出話など(中高生のときと今で、時間的な広がりを作るためか)/一行空けて、隆視点で女友達のことなど、幸正の家へ/一行空けて、詩織視点、食事/一行空けて、幸正視点、新婚旅行の回想→現在、同僚からの電話→詩織視点、食事を続けて、夫は出かけて行き、月食になる。赤銅色。地球儀を濡らして、乾かして、「月食」を盲人の隆に説明。

一行空けて、隣室の鈴木まどか視点、仲良くなった隆と詩織を観察する。外壁の色は「卵色」ではなく、「うすぎたない黄色」と、人によって見え方が違う。

ごく単純に言うと、盲目の隆が、過去知り合いだった幸正の家に呼ばれて食事をし、その妻の詩織と月食を体験し、家に送ってもらう、という半日程度の出来事となる。
そこから階層的に、近過去の、隆と幸正の再会、隆の女友達や恋人、結婚してからの詩織、アパートの隣人との挨拶、などが語られ、高校時の隆と幸正の共通の友人や、その後の阪神大震災に罹災した話などが出て、横軸に人間関係だとしたなら、縦軸に時間軸を取って、語りはその座標を縦横無尽に行き来して、階層的な広がりを作っている。
150枚くらいの作品だが、一応都会の本八幡(ほとんど東京都内の千葉、大手町まで30分くらいか)の、色々な人物の交差する、一つの風景を見せられた感じがある。

「たそがれ刻はにぎやかに」
凡作、といった印象。
取り壊しの決まったアンティークマンションに住む老女と、その孫(正確には孫ではない)の元恋人(家のない役者崩れ)の関係。青山だとか、同潤会アパートだろうか。
老女と青年のエロティックな関係を表現したかったのか、とも思うが印象が薄い。
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