2000年にジャンプ本誌に掲載された同名タイトルの読切
作品を連載作品として再構成し、イチから描き直したもの。
読切版が収録されている
『四方遊戯』では、作者が〈わりと続きを描いてみたい
作品〉とコメントをしており、今回の連載は満を持して――なのかと思われます。
さて、内容のほうは、『竹取物語』をモチーフにした和風ファンタジーで、
前作
『TISTA』のヘビーでシリアスな筆致とは違った、王道少年漫画の
筆法にもとづいて描かれており、ヒロイン像も“強くたくましい女の子”に
原点回帰――初期作のリメイクなので当たり前ですが――しています。
とはいえ、一見勝気で直情径行な“強い女の子”である本作のヒロイン・
カグヤも、その内面には歳相応の“弱さ”を抱えており、時折それを垣間
見せることで落差を際立たせ、読者を惹きつける演出がじつに秀逸です。
そして、次々と押し寄せる試練に否応なく己の無力さを実感
させられながらも、気高く前を向くカグヤの姿が胸を打ちます。
本作は、少女を主人公に、真っ向から王道少年漫画
を描こうとする意欲作、といえるのではないでしょうか。
▼付記
ちょっとあり得ない(笑)“竹取の翁”だとか、求婚者ならぬ
“求魂者”――子安ガイ(原典のかぐや姫が要求した宝の
一つ)など――のキャラ造形といったあたりは、ベタながら
作者独特のセンスが感じられ、面白かったです。