森敦の東北・山形・庄内地方を放浪した体験を元に、書かれた作品です。山を中心に据え、そこで、暮らす人々の営みを描き出しています。山形庄内地方の空気をよく出していて、大変深みのある作品になっています。普通の生活を送る人間のいやしさやおかしみ、崇高さ、生まれた土地の自然との関わりなどが、描かれています。著者の主張などは、語られないのですが、庄内地方の村人の生活を通して、人間を語っているように思えます。庄内弁など、方言が書かれていますが、巧みに、意味がわかるようにも書かれています。ちょっと読みにくいかも知れませんが、とても味わい深い作品だと思いました。生活感がとてもあるのですが、それでいて、夢幻のような世界が展開します。