ご存知のとおり、この写真集は彼女の人気沸騰に比例してもはや高額のプレミア付きの幻の書になりつつあります。つい最近、リリー・フランキー氏撮影によるスペシャル版が発売されて結構な話題になりました。いま新旧2冊を手にして、やはりこの2007年版との比較が必要だと思いレポートします。
本書のカメラマン藤代冥砂氏は、「週刊朝日」や化粧品の駅張りポスターなどで活躍する気鋭の写真家です。当然、女性を被写体にした場合、その魅力を最大限に引き出すことにかけてはプロ中のプロ。その点では、真木よう子という素材が持つ魅力を余すところなく表現できていると思います。確かにペインティング加工などのギミックは、人によっては邪魔に感じられるかもしれません。しかし、そこは大新潮社。やはり単なるエロ本にすることができない事情があることは周知の事実です。しかし、藤代冥砂氏は「余計なペインティング」のことなどは十分に計算に入れたうえで、ギミックの向こうに見え隠れする彼女が発散するエロティシズムをも被写体として写し込むことに成功しています。
単純に目の前にある物象を写真として収めることは誰にもできます。酷な言い方ですが、リリー・フランキー氏は所詮、そのレベルにとどまっています。でも、そんなことは誰でもわかること。あえてリリー・フランキー氏のネームバリューに乗っかって話題を呼ぼうとした編集・企画上の「あざとさ」が感じられる2008年版に対して、この2007年版は新進女優と気鋭のカメラマンの両者が、大出版社が非常にも設定している表現の限界にあえて挑むという気迫に満ち溢れています。真木よう子ファンはもちろん、写真の道を志している人にもお勧めです!(といっても入手できないんですよね)。そうそう、「ベロニカは死ぬことにした」のDVDもファンなら当然、必見です(映画の内容はともかく)