はじめ、帯に書かれた「恋人のセイちゃんの奥さんが」という文章の意味がよく判らず、何度か読み直しました。
この本の主人公はなんと30歳手前の女性。しかも不倫してます。
これまでの作品とはガラリと違う初期設定はそのまま、内容にも響きます。
空色ヒッチハイカーのような青春臭さも、
ひかりをすくうのような穏やかさも、
流れ星が消えないうちにのようなノスタルジックも、
半分の月がのぼる空のような真っ直ぐさも、
ないんです。ないんですが、結末はやっぱり何かを手に入れている。
あるいは何かを手に入れるためのスペースを手に入れている。
仮の新婚生活の舞台である「山崎第七ビル」の住人達や、主人公がひょんな事から知り合う姉弟など、皆がみんな個性的で、個人的には「他人との関係」というものがメインにあるような気がしたり。
そういう意味でもやはり、これまでと違う感じがしました。
それがとても新鮮である反面、少し肩透かしをくらったようにも感じたり。
という事で、星4つにさせていただきました。