流石の安定した文章、構成、展開、キメ細やかな配慮が行き届いたストーリーです。
ストーリーは心を揺さぶるものでもありましたし、作品全体を包むしっとりとした優しげな雰囲気にも好感が持てました。
そして
上海金魚 (CROSS NOVELS)、
透過性恋愛装置 (CROSS NOVELS)、
このキャラ達が出ている事もあり、それらを読んできた読者にとっては更にたまらない展開となっています。
正直、傷つく可能性のある主人公のストーリーを読む事に対して抵抗はありました。
傷つく可能性というのは、あらすじにある酷い男に暴力を振るわれる事を分かってたから思った事なんですが。
よくある他のBLの場合、主人公の男性が可哀相で仕方無い状況に陥ってしまってる。
だからよく似た状況を想像していたのですが、この作品の場合そこまで陥っていない。
そしてそうなりそうな場合にも、主人公も周りの人達も正常な判断の元に行動している。
だから読んでいて苦に感じなかった。
そして安心して恋愛モードに入っていけた。
このあたりがとても自然なので、無理のない展開に共感し惹きつけられました。
恋愛もとても良いです。
人を警戒しない純粋さを持つ主人公、ドアマンの橋本。
人間関係の深みにはまる事に懲りたデザイナーの嵯上(さがみ)。
この二人が関わり恋愛していく様が、ゆっくりと無理なく描かれている。
そしてそこには萌えもある。
二人がまとまってからも、しっとりとしながらもキュンキュンとするシュチュはしっかり存在していて。
も〜なんでこんなに色々な状況設定や言動の表現が良いんだろう。
そこへ最初にも書いたこれまでのシリーズのキャラ達が加わって余計に面白くなっている。
これがまた良かったです。
本は本編とS・Sが2作品で構成されてます。
本編にもこれまでのキャラが出てきますが・・・
嬉しいのはS・Sの1作品は牧田&北嶋がメインな事です。
だからとっても楽しく萌えながら読みました。
今作が初めての方はこれまでのキャラを知らずに読む訳ですがー
正直、ちょっとモヤッとしたものはあるでしょうね。
ストーリーは問題なく入っていくとは思うんですが・・・
モヤモヤ感無く読むのならばこれまでのシリーズ読んでいたら尚楽しいと思います。