最終夜と空の境界終章の放映日が被ったから半分ほどしか見られなかった。
だから今回初めて朗読を全部聴いた。
劇場で中継した朗読ではなく、朗読会終了後に新規録音したものらしい。
といっても、もう一年近く前の話だからどんな朗読だったかは全然覚えていない。
とりあえず『銀河鉄道の夜』のころよりはずっと朗読に慣れたという印象だ。
聴きやすくて、よく頭に入ってくる。
CDのパッケージはケイ素が大きく描かれていて、綺麗ですばらしい。
ピクチャーレーベルも少女とケイ素のイラストで対になっていておもしろい。
ブックレットの内容は、劇場販売されたパンフレットとずいぶんちがう。
文章は推敲されているし、挿絵は動画で使われたイラストが大量に増えていて、もうほとんど別物だ。
今回のブックレットはハードカバー製本で挿絵は全ページにあり、ずいぶん豪華な作りだ。
ただ、綴じが甘くて大きく開くとページがバラバラになりそう。開きづらくて、少し読みにくい。
サイズもA5くらいと小さく、せっかくの挿絵が小さいのは残念なところ。
劇場販売されたパンフレットは、サイズがA4で大きかった。
挿絵が少ない代わりに一ページの文章も多かったし、ソフトカバー製本だったから、今回のハードカバーよりはずっと気軽に読めた。
そもそもこの文章量で、ハードカバー製本をしてしかもこのサイズというのに無理があるのかもしれない。
読むための本というより、「もの」としての本になってしまっている。
なんだか本として不完全燃焼な感があり、ここでマイナス評価する。
物語は今までにない、終始ホワイトな奈須きのこの物語。
文体は相も変わらずだが、いつものブラックなシーンや描写はまったくない。
たとえるなら空の境界の終章の空気が全編に続いている感じだ。
奈須きのこの新境地を垣間見た気がする。
そして今回、書籍化にあたって推敲されたから、物語の印象がけっこう変わった。
推敲前と推敲後、どちらにも良さがある。パンフレットと見比べてみるとおもしろい。
これだけ豪華な作りで三千円というのは費用対効果がいい。
本のサイズが心残りだが
たとえばustreamの配信を録画していたり、劇場販売されたパンフレットを持っているからといって
無視するにはもったいない商品だ。
朗読は新規録音でノイズが入っていないし、パンフレットの違いは上記の通りだ。
個人的には買って正解だった。