月の光でできる虹があるそうだ。まだ見たことがない。
月の光のなかの屋久島の森がある。まだ見たことがないが、この本の山下大明の写真に引き込まれてゆくうちに、文字通りに月の森の森厳たる思いが一気にわき上がる。
聖なる世界だ。美しいとか素敵とか爽やかとか、そのような「快」のレベルを超え、引き込まれ行く畏怖の世界がそこにある。69枚の写真から、風がふき、声が聞こえてくる。
宮崎駿の「もののけ姫」のアニメの森が想起され、かつそれ以上のリアルな世界に導かれる。人間の分限が思い致され、粛然となる。
月明かりのなかのいのち達こそ、底力をもったものだと思われてくる。
いい写真集をありがとう。