読み始めは大した出来事も無く、退屈な本だな〜と
思って読んでいましたが、読み進めると田舎のキレイな情景描写に
次第と引き込まれていきました。
鈴鳴らしや魂振り、その他風習など
不思議な世界観があり、いい感じに陶酔できます。
方言も私の地元のものと似ており、懐かしかったです。
田舎に行きたくなりました。
しかし、気になる点もいくつかあります。
真のボキャブラリが多過ぎ、小学生にしてはかなり不自然です。
(妹とのギャップも激しすぎる)
悟と茅の心理のやり取り(特にラスト)が
安っぽい恋愛ドラマのようで興ざめでした。
そこらへんの高校生でも書けそうです。
文学部西洋哲学科を卒業している著者には
大人でも楽しめる心理描写をお願いしたかったです。
真彦が最後『すっげえ、感動してる』との伝聞があったが、これは無い。
寧ろ、人の家庭の問題にずけずけと入り込んでくる青二才の悟を
無視するでなく、丁寧に対応していた真彦はかなり人間ができている。
真を見送りに行かせたのは、園子・悟・真に対する
真彦の優しいサービスだと解釈しています。
全体的に人間全般の描写が物足りなかったです。
情景描写・世界観・清涼感の出し方はグッドです。