本書は、九州大学大学院等等で歴史学を学び
現在は高等専門学校で教鞭をとる著者が
江戸時代の医師・天文学者である麻田剛立を描いた著作です。
九州の杵築藩に生まれた剛立が
強い好奇心を持ち、ひたむきに多くを学び
三浦梅園、中居履軒、河野大学らと親交を深め
やがて日本中に名を知られるまでになる様子が描かれています。
児童向けの書籍という性格からか
「ケプラーの第三法則」についてはあまり触れられず
クレーターの発見や暦の作成に重点が置かれているうえ、
必要な事項については、解説も付されているので、
読みにくさを感じることはありません。
個人的に印象深かったのは
死が間近に迫った剛立が
「今は正しくても、未来の人が見たら間違いだらけに見えるにちがいない」
―として自らの著作を焼き捨てさせた箇所
そうした書籍や書物が残されていれば、
後世、より多くの発見がなされたかもしれず
とても残念に感じました。
ただ、よく考えてみると
教育者としても偉大な業績を残した剛立ならではの
「もっと深い考え」があったようにも思えるのですが・・・・。
知られざる偉人の業績を平易な文章で伝えるとともに、
好奇心を持つこと、それを貫くことの大切さ
そして、なによりも周囲の人々のありがたみを教えてくれる本書。
児童書というだけで敬遠せず
多くの方に読んでいただきたい著作です☆