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月のうた (ポプラ文庫)
 
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月のうた (ポプラ文庫) [文庫]

穂高明
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

小学生の時に母を亡くした民子は、父とその再婚相手との三人暮らし。複雑な想いを胸に秘めていたが、亡き母の親友から母にまつわるある話を聞き、徐々に心を開いていく――それぞれの想いを鮮やかに掬い取った、切なくて温かな家族の物語。第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作。「生活感あふれる挿話の数々、陰影深い人物像、生き生きとした会話、そして巧みな語り口。語り手四人の絶妙のアンサンブルもいいし、強力なテーマ把握も見事だ。優しくて、温かくて、思わず抱きしめたくなるような小説だ」(書評家・池上冬樹)

内容(「BOOK」データベースより)

小学生の時に母を亡くした民子は、父とその再婚相手との三人暮らし。複雑な想いを胸に秘めていたが、亡き母の親友からある話を聞き、徐々に心を開いていく―それぞれの想いを鮮やかに掬い取った、切なくも温かな家族の物語。第2回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作。

登録情報

  • 文庫: 240ページ
  • 出版社: ポプラ社 (2011/4/6)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4591124207
  • ISBN-13: 978-4591124208
  • 発売日: 2011/4/6
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
小学5年生で母をガンで亡くした民子。
中学生で継母を迎え、その後母方の祖母を亡くす。
幼くして様々な不幸を経験してしまった
民子の大学入学までを描く作品です。

4章からなり、
それぞれ
民子→継母宏子→実母の親友祥子→父の視点で物語が進められていく。
それぞれが同じ事実に対して
いろんなことを思い、考え、悩む。
みんなが自分のことより相手のことを思い、
でも、なかなかその思いを言い出せずに過ごしている。
大きな事件が起きるわけではない。
地方の小都市を舞台に
民子とその周りの人間との交流が温かいタッチで描かれています。

継母ってどうしても意地悪なイメージが付いて回るものだけど、
この宏子さんは天真爛漫で
だからこそ、民子には必要な人だったのかもしれない。
なかなか最初は打ち解けられかった二人だけど、
少しずつお互いの距離を縮めて行く様子が良かったです。

母の親友の祥子さんの思い出話にホロリときたり、
父親のちょっといい加減なところに腹を立てたり、
なかなか感動的な話でした。

まぁ、陽一という幼馴染との関係ももう少し深く書かれていても
良かったかな、とは思いましたけどね。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
主人公・民子、継母・宏子、母・美智子の親友・祥子、父・亮太の視点で語られる4つの物語。

民子は楽しみにしていた夏祭りの前日に最愛の母を失う。そして、その悲しみを民子は悲しさを抑えて中学生になる。そんなある日に「母への手紙」というテーマで課題が出る。そこで民子は天国にいる母・美智子へ手紙を書くのだった。そこには誰にも言わなかった民子の想いが綴られていた。(「星月夜」)

継母の宏子は民子にどう接したらよいのかと悩んでいた。宏子は料理も出来ず、家事全般は祖母に家事を教え込まれていた民子に頭が上がらずの日々だった。本来、民子のような秀才は自分の天敵のはずだが、民子はどことなく今まで見てきた秀才とは違っていた。そんな疑問を抱きながら宏子はある日、民子と夜中に散歩する。月夜の道をふたりは歩く。宏子のお腹のことを話しながら・・・。(「アフラの花祭り」)

民子に恋心を抱く陽一を子に持つ、美智子の親友・祥子は、ある日、バス停で痛みで座り込んでしまっている宏子を見かけ、病院へ送り届ける。そこで昔、親友と出逢い、交わした言葉、親友の最後の想いを顧みる。親友のわが子への愛情とその親友に何もしてあげることが出来なかった自分を思い出しながら・・・。(「月の裏側で」)

宏子との間に朔望を授かった父・亮太は外見は威厳がありそうで、気の弱い人間だった。美智子の死も、宏子との再婚を決意したときも、義母が提案した老人ホームへの入居を聞かされたときも、そして民子が東京の大学へ進学するために旅立つ前夜も、彼はどうすればいいのか、何を言ってやればいいのかを決めかねていた。そんな彼は美智子が言ったあの言葉を思い出さずにはいられなかった。「あなたは意気地なしで寂しがり屋だからひとりでは生きて生きられないわ。」そして、そのときの自らの死を受け入れた妻の姿を・・・。(「真昼の月」)

人は遠からず、近すぎずに人と交わっているのだと改めて感じた作品。民子の心境は自分の過去と合致する点が多かったので、感情移入もしやすかった。また、あの頃の想いも振り返ることができた。この作品のいいところは、それぞれにいろいろなことを想い、それを相手に必ずしも伝えられずにいる、そんなもどかしさが日常的で身近な話に感じられた。この作品で印象的な場面は、民子の美智子への手紙(P71)と、民子と宏子との月下での散歩、美智子と祥子の思い出だ。そのいずれにも月がアクセントを加えている。月には昔から神秘的な力があるといわれているが、読んでいて月の魅力を感じずにはいられなかった。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
読みながら、そして読了後も心が清涼なもので拭われていくような心地だ。
母親を癌で亡くした民子とその家族を、小5から大学入学までの7〜8年の
時間を重ね合わせて描いた物語。
「星月夜」「アフアの花祭り」「月の裏側で」「真昼の月」という月にちなんだ
各章のタイトルも美しい。

民子の章である「星月夜」では、母を喪った民子のとまどい、新しい母との折り合いの
つけがたさや嫌悪感などが吐露される。
子どもは大人の都合に抗えない。その理不尽さが民子の心を頑なにすることに
ふれようとしないのがもどかしい。
けれども、民子の、亡くなった母・美智子への思いを素直に綴った作文を配することで、
ぐっと引きしまった趣が現れ、ページを繰る手が早まった。
一見粗野にみえる継母の宏子も、実に率直な性格で、民子にも臆せず
素の自分をさらけだし、結果二人の距離が少しずつ縮まってゆく。その素直さが
好ましかった。

民子に関わる年上の女性たちが、この作品ではとても魅力的。
特に、祖母の気丈で聡明な人となりは民子の素地をつくり、
潔い人生の線引きに頭が下がる思いだ。

民子の深い悲しみが語られ、それをめぐって周りの人たちの章で
各人の深奥にあるとまどいやもどかしさ、愛情が語られる。
誰もがこの家族を思う真摯な気持ちが、こちらの胸にせまる。

聡明さゆえ、あまりにも周りのことが見えすぎるような民子がいじらしくて
しかたなかった。だが、民子が民子になりうるためにはこれだけの時が必要であったろう。
「真昼の月」の章で父が語る思いは、ほろ苦い。不器用といえばそれまでだが、
家族への愛をしみじみといだく男の心中がリアルだ。

いくつもの月のエピソードも効果的で、澄んだ香気に満ちた作品だ。
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