コミック版で全15巻出版されたうち、1〜3巻分が収録されていて16ページの書き下ろしが加えられています。
登場人物はみな過酷な運命に翻弄され深く傷ついていますが、主人公の女子高校生・若菜と彼女を守る妖怪・叢雲(むらくも)に出会い、あたたかくも厳しい友情を与えられて癒されていきます。人生に対する深い考察と、繊細な人の情愛、自然や異形のものへの畏敬の念、失われゆくものへの追慕の情など、いろんな視点から物語がつむがれ、連載終了後10年たつコミックですが、読み返すたびに心がゆさぶられます。
琴線にふれるセリフも多く、
「また会おう この世でなくともあの世でも きっと花は咲いている」
「ここに留まっていても苦しみは癒せない わかるだろ? 飛べ!」
といったセリフに何度も泣かされました。もちろん、思わずくすっと笑ってしまう楽しいエピソードもありマス♪
文庫版1巻に収録された1〜3巻は物語の序盤です。
続刊以降で語られる物語後半では、若菜は厳しく彼女に接しつつも包容力のある叢雲に惹かれていき、叢雲も若菜を愛していますが、彼が人間でないために、結ばれることをともに願いつつも迷い苦しみます。ツンデレな叢雲が若菜の彼氏に激しく嫉妬したりして・・・
この恋のゆくえと、叢雲の妖しい美しさに毎回ドキドキさせられてしまいます(〃▽〃)♪
絵が美麗で、一見コテコテの少女マンガに見えますが、じゅうぶんオトナの鑑賞に堪えうる作品で、古さもそれほど感じません。作品中で語られる「やまとことば」も雅やかで、もっと高く評価されていい作品ではないでしょうか。
物語の終り方がすっきりしないので☆4つにさせていただきましたが、それを超える魅力があります。
出版社さまには、コミック版に未収録の番外編がありますので、それを収録の上、ぜひ続刊をしていただきたくお願いいたします。この価格設定でしたら、もっとカラーページを増やしていただければうれしいです♪
ず〜っとスキだった方へ♪
16ページの書き下ろしは、若ちゃんが叢雲の存在に気づく直前のエピソードが描かれた掌編です。これを読むと、叢雲って意外にくよくよと思い悩む性格だったのね、と・・・。若ちゃんに意識されたことによって、あんなに強くたくましくなれたのかもしれませんね。