男女二人ずれの強盗犯の逃亡と、それを追う人たちの物語というと同時期に早川から出版された「聞いてないとは言わせない」ジェイムズ・リーズナー (著)を連想する人も多いかもしれません。
「聞いてないとは言わせない」が張り詰めた緊張感のもと、一気呵成にラストに向かって突っ走っていくようなシリアスな物語だったのに対して、こちらはかなり勝手が違います。
主人公二人を含めて、歪んだ個性のキャラクターが縦横無尽に暴れ回ります。キャラクターの特長は、「自己啓発本マニア」、「アイデアオタク」、「エイリアン恐怖症」などかなり誇張されていますが、それらの特長に、動物や有色人種へのいたわりや偏見の姿を通じて、単なる一芸キャラではない重層的な性格を形作っています。
ハチャメチャ振りはありますが、性格描写など丹精に描かれている面もあり、さわやかな読後感と併せて、一揆読み出来る面白い本を探している方にお勧めです。