サブタイトルに「お金よりも大切なもの」とあることからわかるように、「最高の報酬」とは、働くことや生きることの意義を示している。「医者は生活の安定を約束していた。しかし、僕は画が描きたかったのだ」という手塚治虫の言葉や「小人は己を利せんと欲し、君子は民を利せんと欲す」という西郷隆盛の言葉、「私は収穫の時には立ち会わないかもしれないが、今のうちにまけるだけの種をまいておきたいと思う」というゴルバチョフの言葉は、「最高の報酬」を求めて働くことのすばらしさを十二分に表現している。
また、リスクを冒して「最高の報酬」にまっすぐ向かうことを躊躇しているなら、「成功の秘訣は趣味をレジャーと見なすことだ」というマーク・トウェインの言葉や「やるべきことが決まったならば執念をもってとことんまで押しつめよ。問題は能力の限界ではなく、執念の欠如である」という土光敏夫の言葉、「私に取り柄があるとすれば、ただエンジンが好きで好きでたまらずそれに没頭できたことだ」という山岡孫吉の言葉が励みになる。
集められた言葉はいずれもシンプルだが、人生の大きなヒントが見つかるもの。本書を読んで、一生使える「心の宝物」を見つけられたらめっけものだ。(土井英司)
著者は情報技術(IT)バブル崩壊直後に、その仕掛け人の1人と目されマスコミからバッシングを受けた東京・渋谷「ビットバレー」のディレクター。だから『最高の報酬』などというタイトルがついていると、どうやって儲けて逃げ切るかというノウハウ本かなと勘違いする人もいるだろう。
しかし、サブタイトルは「お金よりも大切なもの」である。私の知っている著者の素顔は、生真面目でおよそ“ヒット・アンド・アウェイ”という態度を取る輩とはほど遠い。だから生真面目に膨大な蓄積を、こんなカタチで格言インデックスにできたのだと思う。
「つねに行為の動機のみを重んじて、帰着する結果を思うな。報酬への期待を行為のバネとする人々の一人となるな」
これが誰の言葉か想像がつくだろうか? ベートーベンである。
「私は収穫の時には立ち会わないかもしれないが、今のうちにまけるだけの種をまいておきたいと思う」
現世での自らの権力的な利害しか頭にない守旧派の政治家や官僚に、ぜひ読んでもらいたい言葉ではないか。これはゴルバチョフ元ソ連大統領から発された。
「想像力は知識よりもっと大切である」
子供たちからイマジネーションを奪ったのは誰だろう? 日本の教育改革に対して発されたかと見紛うばかりのアインシュタインの言葉。
「我々は、学校のためではなく、人生のために学ばなければならない」
ローマの哲学者セネカもこう言う。
そして私のお気に入りは、第1次南極越冬隊長・西堀栄三郎氏の言葉だ。
「新しいことをやろうと決心する前に、こまごまと調査すればするほどやめておいたほうがいいという結果が出る。(中略)やると決めて、どうしたらできるかを調査せよ」
この本のセンスがよいのは、著者の解釈やいらない注釈を一切つけず、クオリティーの高い写真を配してオシャレな構成にしたところだ。著者が最も気に入っているというドイツの哲学者ショーペンハウエルの言葉が最初に登場するが、実はその“前座”として本の帯に登場するメッセージが極めて意味深で面白い。
「経済は死んだ。戦争も始まった。次の10年は真面目に働くとしよう」
誰の名言かは、ここでは言わない。
(リクルート フェロー 藤原 和博)
(日経ビジネス 2001/12/24 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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1「あの言葉って、あの人が言ってたの!?」
この道を行けば、どうなるものか。
これって、猪木さんオリジナルじゃなかったのね。
2人生経験豊富なお爺さんの語りみたいな本
時を超えた深みのある言葉。明日が見えないことに恐れおののく自分が少し馬鹿らしくなります。
3金じゃないのよ
この本に載っているのは、いわゆる「成功者」が多い。しかし、その彼らがこういう。「金はモチベーションの源ではない」。財務的指標に現れるような結果を求められている現代の経営者は、これらの言葉をどう読むのだろう。
今時こんなことなかなか言えないのよねぇ。ということで、恥ずかしくて自分の心から消し去っていたようなことを成功者がすぱーっと言ってくれてる気持ち良さが得られます。
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