読んでみたが、「サービス」って、工業製品と違って、安くて品質がよくて誰にも受け入れられるようなものというものはないと感じた。
要は人によって快適と感じるツボが違うということなのだろう。
パーソナルなきめ細かいサービスが期待されても、それには多大な人手が必要となるので、安くサービスの提供を行うことは困難であるはずなので、結果的に、1)高くてよいサービス、2)安いが安い割にいいサービス、の二つに収斂していくのであろう。
従って、安いところは安い割にいいサービスを提供しているのに過ぎない。
一方、リッツ・カールトンのような顧客があっと驚くようなサービスをやるコストは自分(又は他人)が払う価格に上乗せされているということであろう(あっと驚かせるコスト込みの料金を宿泊者が喜んで支払うようなビジネスモデルである)。
従って、「サービス業」ってコストと提供するサービスのバランスが重要な気がするのだが、生産性云々とか経営論的な話をしている人はほとんどおらず、話はほとんど自分の体験談である。
あえていえば、カール・ケイ(ビジネスコンサルタント)は、価値共創(コ・クリエーション)という概念が世界基準となっているという。
つまり、サービス供給側が消費者と一緒に価値を作ることが求められる時代になっているという。
これはおもしろそうと思ってみたのを幾つか挙げる。
・いいところ(「ポ」シティブ情報)、悪いところ(「ネ」ガティブ情報)を、ポ・ポ・ネ・ポの順で繰り返すと、最もリアクタンス(反発心)が起きにくいという実験結果がある(植木理恵(心理学者・臨床心理士))。
・「対連合」といって、おいしいものを食べながら、話をするとそのときにした全てのことが、いい思い出となって蘇るという古典的条件付けを活用すべき(植木理恵(心理学者・臨床心理士))。
・(毎日質の高いサービスを提供し続けるためには、レストランが最も忙しい)金曜日にできないサービスはするな(新川義弘(HUGE社長)。彼は、NYのゴッサムバーアンドグリルにメロメロとか)。
・マンションは物件でなく作品なんです。マンション開発は料理と同じです(森俊一(プロパスト社長))。
最後に、個人的な感想として言えば、パーソナルなサービスを臨機応変に提供することで感動を創出する企業なりを賛美する記述が多いが、(どっちかというとサイレント・マジョリティな)自分が要求しない、あるいは自分に提供されないサービスを他の人に提供したがために追加発生したコストを自分がかぶるのは嫌だと感じている。
ちょっとへそ曲がりかもしれないが、そういう視点の人もいるということで付け加えてみた。