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宮脇さんの旅から25年。この間ずいぶん日本は変わり、今年の2月にはあまたの魅力あふるる紀行を残して著者も天国に旅立たれた。今この作品を読み返してしみじみ思うのは、変わらぬのは日本の山河だけだなあ、という哀切の思いである。
ともかく「時刻表2万キロ」と並ぶ初期の大傑作であることは誰しも認めるところであろう。
ふりかかる難解な鉄道規則や、文字通り避けては通れない退屈な首都圏の路線も数々のアイディアをもっておもしろおかしく克服されており、読者を楽しませるサービス精神にあふれている。
いつもの通り、宮脇さんの描写は精密かつ簡潔で、当時の景色はもちろん、匂いや声まで伝わってくる思いがする。表現も巧みで随所に往時の空気感が再現され、まことになつかしい。残念ながら宮脇さんは逝去されたが、著作の時点ですでに将来の歴史的資料性まで考えておられたのではないだろうか。だとすれば今後ますます価値は高まるはずである。
初めての方だけでなく、一度読んだ方でもまた楽しく読めるだろう。
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