私の子供の頃には戦後の復興から取り残された人たちが結構いて
どぶ川の横に建てたバラックに住んでいた同級生もいましたし
駅前にはいつも空き缶を置いて座っている人たちがいました。
縁日には傷痍兵の格好をしてハーモニカやアコーデオンを演奏して
金銭を恵んでもらっている人もいましたね。
戦後の混乱期の経験はありませんから、私自身は本当の貧しさを
知りませんが、この本を読んで、いつの世でも弱い者
才覚のない者は流れから取り残されながらも
したたかに、図太く、懸命に生きていたんだ、ということが
本当によくわかりました。
昔の日本はこうだった、ということではなく
生きて、食べて、子を育てていくという
生き物としての人間の本質に迫ったルポだと思います。
経済大国としての日本しか知らない世代にぜひ読んでほしい1冊です。
景気低迷と言われる今の日本ですが、本当にそうなんだろうか?
今は幸せがなんであるかがわかりにくい世の中なのではないだろうか?
この本を読んでそんなことを感じました。