創薬化学のバイブル、The practice of medicinal chemistryの第二版の前半部の邦訳版。リード探索の章では、旧来の医薬品をリードにするSOSA法や、ドラッグライク、リードライクの評価、privileged structuresについて、構造活性相関の章では、抗高血圧薬カンデサルタンのバックアップでの成功例でもある、テトラゾール環をオキサジアゾロン環への等価置換など、最近の創薬の内容にまで及んでいます。終盤でChristopher A. Lipinskiが述べている通り、膨大で広範なメディシナルケミストリーの世界で、本書には学術情報誌では十分にカバーできない一般的原理に触れられおり、創薬化学の本質を体系的に理解するには最高の良書です。内容自体は古いものも多いですが、そこで述べられている戦略、ドラッグデザインは、温故知新として、現在でも応用できるものばかりです。邦訳に違和感のあるところがあるので、その箇所は、原著で確認する事をお勧めします。しかしながら、これだけ膨大な内容を邦訳した著者らの姿勢は大いに歓迎できます。