死ぬ直前、人生最後の記憶は何になるのだろうか。進行性の痴呆に冒されたとき、最後まで強固に残る記憶(こちらも「人生最後の記憶」と呼べるでしょう)は何になるのだろうか。想像するだに恐ろしいテーマですが、そこをホラー調・ミステリ風に仕上げてしまうのところはいかにも綾辻流。さすがと言っておきましょう。
ただ、作品の完成度については・・・。
正直「綾辻どうした!?」と言いたくなるほどの駄作でした。解説では、既存の小説の枠組みに囚われない挑戦的な試み、だとか、綾辻にとってこれまでで最も冒険的な一冊、だとか言ってなんとか本書を評価しようとがんばっていますが、僕には単純に駄作としか思えません。ただ本作品は評価が真っ二つに分かれているようなので、綾辻の新境地としてあたたかく受け入れている人たちも一方では多いのかもしれませんが。。
本作品が本当に「挑戦的な試み」であり「冒険」であったのならば、ぜひ今後は一皮むけた本物の「新境地」を見せていただきたいものです。