2010年ももう終わりますが、私の中では、今年一番の名作といっても過言ではありません
この物語は、紫電改という戦闘機に搭乗し、幾多の武勇を挙げ、散っていった一人の若者の生涯を綴ったものですが、
その生き方は、真摯に生きようともがく者なら誰もが、共感できる事実を含んでいます。例え時代は違ってもです。
主人公は、軍国主義に染まった訳でも、自分の力をただただ誇示したかったわけでも、アメリカに憎しみがあったわけでもありません
非常に聡明で、感性の豊かな、文学少年でした。
彼の書いたものが、多数引用されています。その内容は、十分鑑賞に堪えうるものであり、十代の少年が書いたとは思えない、哲学的な真理すら、含んでいます。
そんな多感な少年が、何故兵学校進学を選ぶのか、何故、戦闘機に乗るのか。
そして、彼が本来持つ運動神経と怜悧な知性は、戦闘機操縦の分野で爆発的な進化を遂げます。
その、進化の理由は何だったのか
読んで感じていただきたいと思います。彼は、お国の為とか、大義名分の為に死んでいったのではありません。戦友の命を常に思っていたから、結果的に撃墜王になり、結果的に散華したに過ぎないのです。その裏側には、死んでいった仲間達への、声に出来ない激しい慟哭があったと、私は思います。
決して簡単に読める本ではありません。が、真摯に生きる人々へ、読み次がれていって欲しいと思います。