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最後の授業――心をみる人たちへ
 
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最後の授業――心をみる人たちへ [単行本(ソフトカバー)]

北山 修
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

〈心〉の時空に想いをこらし、患者と
傷つきや罪悪感を共に見つめてきた
精神分析家として、
〈心〉をみる、診る、看る
知恵と技術を伝えたい――。

2010年春の九州大学退官を前に、
主に臨床心理学を学ぶ学生たちに向けて行った
「最後の授業 テレビのための精神分析入門」と
「最終講義 〈私〉の精神分析」ほかを収録。

ミュージシャンとしての体験をもとに観察し、
考えつづけてきたマスコミ観、コミュニケーション観、
そして精神分析の視点から
『古事記』や「鶴の恩返し」などの日本の神話や昔話を読み取ることで
洞察を深めてきた日本人の「心の台本」について、
これまでの道のりをまじえ語りつくした。

連想と「置き換え」にあふれるユニークで情熱的な授業を
語り言葉のままに収録。
ライブ感に満ちた“北山修的冒険”の時間を味わってください。

NHK教育で放送予定の
「北山修 最後の授業」(全4回)の授業内容をすべて収録。

内容(「BOOK」データベースより)

“心”の時空に想いをこらし、患者と傷つきや罪悪感を共に見つめてきた精神分析家として、“心”をみる、診る、看る知恵と技術を伝えたい―。「最後の授業」のすべてを収録。二者間の内的交流を重視する対象関係論の論者として、『古事記』や「鶴の恩返し」などの神話や昔話に紡がれた男と女、母親と子ども、そして日本人の「心の台本」を読み取ってゆく。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 192ページ
  • 出版社: みすず書房 (2010/7/22)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622075431
  • ISBN-13: 978-4622075431
  • 発売日: 2010/7/22
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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24 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 北山修氏が精神分析を学ぶ人たちに伝えたいこと, 2010/8/6
レビュー対象商品: 最後の授業――心をみる人たちへ (単行本(ソフトカバー))
 ミュージシャンでもあり、精神分析学の教授である北山修氏が、九州大学を退官する
際の「最後の授業」をまとめた本です。また、この授業はテレビクルーも入っており、
「第三者」に常に見られながら行われているのですが、それも踏まえて北山氏は講義を
します。その模様はつい先日放送されたようです。
 最後の授業ですから、精神分析学を志す学生たちに向けて、今までに積み重ねてきた
精神分析家としての知恵や技術を熱く、そして平易な言葉で語っています。
 たくさんトピックはあるのですが、中でも興味深かったのは、
人間は誰でも「表」と「裏」がありますが、
この仕事は人の「裏方」を受け止めること、だからそれを厳しく自覚すること。
安易に話したり、ましてインターネットやメールにそれをつづらないこと、など具体論も
次々に出ます。
 また、精神分析が人間にとって普遍的な問題だととらえるために、
「鶴の恩返し」や「古事記」など物語や伝説を引用しつつ、そこに現れている問題の
分析を試みています。
 内容は大変に濃く、まとまりきらないところもあるのですが、講義形式ですので
大変読みやすい本です。
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 北山さんの集大成, 2010/8/9
レビュー対象商品: 最後の授業――心をみる人たちへ (単行本(ソフトカバー))
北山さんの著作は中抜けもあるが、ずっと親しんできた。『戦争を知らない子供たち』『人形遊び』『人形は語らない』『悲劇の発生論』などなど。この本はそんな北山さんの精神医学の集大成。講義の現場にテレビカメラが入っていることを暴露しながら、メディアとコミュニケーションをめぐって語る。大切とされるのは医師と患者のパーソナル・コミュニケーション。そして実は歌もマスコミに乗る以前には、贈る人から贈られる人へのパーソナルな感情表現だったのではないか(そのことがあまりにも忘れられている)。また言葉は何かを明らかにするものであると同時に心の中に影の部分を作る、そのことに意識的であること、などなど、やわらかい語り口で届けられる真摯なメッセージ。
日本人、日本語に関する文化論的な切り込みも興味深い。
心をしばってくる社会、時代に抗するために、北山さんのメッセージをどう消化して受け止めていくか。何度か読み直してみたい。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 《人は、関係が深まれば深まるほど、話が深まれば深まるほど、話が過去へと遡る》, 2010/10/8
By 
ib_pata - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 最後の授業――心をみる人たちへ (単行本(ソフトカバー))
 万葉集の防人歌が、後世の人たちのために謳われたのではないように、北山さんも個人のパーソナルな思いを詩にしていたのですが(p.39-)、フォーク・クルセダーズの解散記念につくったアルバムをちょっと売ろうかと思ってラジオに持っていったらその中の『帰ってきたヨッパライ』が270万枚売れてしまった、というんです(p.68-)。そこで味わったのが、自分の歌をコピーして売りに出すと手元になくなる、という実感だそうです。

 もうひとつ、ここらあたりで語られている「セルフモニタリングの時代」という考え方はハッとさせられました。現代人はデジカメ、ビデオその他で「離見の見」でなくても自分を第三者的に見ることが簡単にできるようになりました。そして、こうしたセルフモニタリングで最初に感じることは、自分自身の醜さではないでしょうか。ぼくも最初にテープで自分の声を聞いた時の狼狽は忘れられません。

 でも、最近は北山さんも書いているように、例えば写真映りが悪いなんてことは考えずに、映りの悪いデジカメのイメージはどんどん消すようになっていきます。これを北山さんは《セルフモニタリングの時代といっても、結局いいところばかりとっている》《セルフモニタリングの時代になって、今、日本人の自己イメージが結構よくなっているのではないか》(p.63-)と指摘します。映画の編集作業で「あ、これ消しちゃおう」といって良いものだけを残していくようなプロセスぱかりを進めるとセルフモニタリングが「自惚れ鏡」になってしまう、というあたりが素晴らしかった。ちなみに「自惚れ鏡」という言葉は佐藤忠夫さんの『映画をどう見るか』講談社現代新書にある「映画は民族や国家の自惚れ鏡である」からとったそうです(p.79)。
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