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映像と映像との間に心の内実を織り交ぜるも、大概のそれは彼らの日常を俯瞰視する「記録」そのものである。
なので、読み手としてはホームビデオをみせられている感じで、主人公の野放図な生活を客観的に見守るので良いのだろう。
この「最後の息子」と「破片」は、全体に退廃的で疲労感を感じる。それが読み手の経験からフィードバックされれば『吉』、そうでなければ『凶』と出るアンニュイな作品であるか。。
それでもお勧めしたいのは、3作目の「water」である。高校水泳部のひと夏を描いた青春小説なのだが、高校生たちが活気にあふれ、いきいきと躍動する姿に懐かしさと爽やかさを感じる。
ミドルティーンズが持つ、物事にがむしゃらに打ち込むひた向きさと手探りで悩みながら繋ぐ人間関係、それらが飾られることなく表現されていて好感が持てる。
また、彼らが使う『長崎弁』は、素朴な人柄と強い想いを読み手に伝える。。なぜなら、方言にはその地方で独自に発達した、言霊を宿しているからだ。
「破片」と「water」は、著者の故郷である長崎を舞台にした物語であるので、これらの作品は小説家の初期に見られるパーソナルな物語なのかもしれない。
表題作「最後の息子」は、文芸春秋社主宰の文学界新人賞を受賞している。
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