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12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人の生涯とは・・・,
By orbit (市川市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫) (文庫)
司馬氏の小説は、どの本も最初の書き始めがいい。「人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある」 で始まるこの小説は、言わずと知れた、徳川十五代将軍慶喜の生涯を、 順を追って読むことが出来る。 私は不勉強な為、この人物について、大政奉還をした人、最後の将軍であることくらいの、知識しか持っていなかった。 新撰組関係の書物を読んだ限り、この人物について、あまり興味や良い印象を持っていなかった。 歴史という事について、私は素人に近い知識な為、よく分からないが、この頃の時代の人たちは、「自分」の事だけではなく、「日本の未来」を何よりも強く願い生きていたように、感じてならない。 その幕末の中で、他の幕臣や公卿達から嫉妬されるほどの才能を持ち、自分の主題に逸れることなく、最期まで貴族であったこの慶喜という人物に、私は魅力を覚えずには、いられなくなった。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
結果的に「最後」を担う者は哀しきものなり,
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レビュー対象商品: 最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫) (文庫)
「大政奉還」を行い江戸時代を終焉させた男。徳川慶喜に対する教科書仕込みの知識はこれだけだった。幕末を迎えた将軍たちには過去の威厳や栄華はもはやなく、大奥や家臣たちに利用されるだけの軟弱な人々。・・・清王朝最後の皇帝の生涯を描いた映画「ラスト・エンペラー」の印象が刷り込まれているためか、慶喜も薩摩や長州がバックについた朝廷に脅されて泣く泣く幕府を解体させた将軍というイメージを抱いていた。が、本書を一読して驚いた。当代随一のマキャベリストとして切磋琢磨する人物だったのである。幕府の崩壊は避けられないことを予期しながらも、将軍職に就くやり切れなさ。外国の列強と戦を交えたら勝ち目がないことをいち早く見抜き、攘夷至上主義者たちと列強との板ばさみに合いながら、妥協点を見出すことに活路を開くべく奮闘する孤独な背中。天賦の才覚がありながら、結果的に損な役目を引き受けざるを得なかった皮肉な運命。読み終えた後、深いため息がこぼれた。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
自ら幕府を閉じる慶喜の心境が面白い。,
By とし坊 (福岡県大野城市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫) (文庫)
「時勢に乗ってやってくるやつにはかなはない」という言葉が、この物語と慶喜の生き様を象徴しているように感じます。幕末の動乱は、まさに嵐のように過ぎ去っていった時代でした。司馬さんは、1967年にこの作品を執筆されたのですが、同時期に「殉死」も発表されています。徳川幕府の終わりを直面した徳川慶喜と、明治天皇の時世に自ら命を絶った乃木希典を重ね合わせるものがあったのでしょうか。幕府の倒壊は、慶喜が作った不幸ではなく、まさに時勢。将軍に就任してわずか2年で自ら幕府を葬った、慶喜の心境を感じることができる作品です。
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