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最後の家族 (幻冬舎文庫)
 
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最後の家族 (幻冬舎文庫) (文庫)

村上 龍 (著)
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   リストラにおびえる父親・秀吉、若い大工と密会を重ねる母親・昭子、引きこもりの長男・秀樹、10歳年上の元引きこもりの男と交際する長女・知美。ある日、向かいの家で男に髪をつかまれて引きずられる女を目にした秀樹は、それが「ドメスティック・バイオレンス(DV)」だと知り、いつしか女を救うことを夢想しはじめるが…。

   内山家は現代家族が抱えるさまざまな問題に直面している。しかし、「救う・救われるという人間関係を疑うところから出発している」と語る村上は、内山家に安易に「救い」の手を差しのべたりはしない。「家族は楽しく食事しなければならない」「親は子供に期待する」といった現代家族を漠然と包みこんでいる幻想をはぎ取られた内山家は、一気に崩壊へと突き進む。にもかかわらず、読後感がさわやかに感じられるのは、多くの困難を引きずりながらも徐々に自立していく内山家の人々が、家族の崩壊と反比例するかのように生き生きとしてくるからだ。特に秀樹が、女を救おうとする自分とDV加害者とが「似ている」ことに気づき、涙するシーンは印象的だ。

   村上は2000年に発表した『希望の国のエクソダス』で日本経済や教育を論じ、主人公の中学生に「この国には希望だけがない」と語らせた。そうした絶望感を経て書かれた本書には「救い」はないが「希望」の光は見て取れる。読み手は、家族それぞれの視点で同じシーンを描くという手法で構成されるこの物語で、登場人物の誰かに自己を投影し、自分にとっての「希望」を見いだすことができるに違いない。(中島正敏) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。



出版社/著者からの内容紹介

引きこもり、援助交際、リストラ。過酷な現実にさらされた内山家の人々に生き延びる道はあるのか? 家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語。テレビドラマ化もされたベストセラー。

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5つ星のうち 4.0 誰に自分を重ねていくか, 2002/2/13
このレビューの引用元: 最後の家族 (単行本)
村上龍さんが昔から何度も書き重ねていることを
とても平易にして書き下ろした作品だった。
誰もが登場人物の誰かに感情移入できる大衆小説。
題名通り、父、母、息子、娘の4人家族の物語だ。
僕は、学生時代を思い出し、娘に感情移入し、
今の家族との関係を思いながら母に感情移入し、
自分の仕事のことを思って、また別の登場人物に共感を感じた。

ここに描かれている父と息子は、とても情けなく、男的で、
自分の中にも確実に流れている同じ要素を感じて切なくなる。

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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 美しくも悲しいハッピーエンド, 2004/10/7
By 理系の文系 (宮城県仙台市) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 最近のあらゆる問題を内包した不幸な家族の物語。ひとつの出来事が四人の視点で描かれていて、面白く読むことができた。特にひきこもりの長男秀樹の立ち直り方は興味深かった。
 ある時、隣の家のドメスティックバイオレンスを目撃する秀樹。それを解決しようとするも、最終的に彼の行動は完全に否定される。だがその行動の過程で彼は人間としての強さを取り戻していく。「君が彼女を救済するのは不可能だ」と弁護士から告げられたとき、自分の進むべき道を見つけ出した秀樹。この一連の流れの中に作者の希望に対する考え方が見えた気がする。
 最終的に家族は幸せな家族に戻らず、皆が自立する、という形で決着を迎える。美しくも悲しい「ハッピーエンド」だった。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 あっさり仕上げの家族もの, 2001/10/20
このレビューの引用元: 最後の家族 (単行本)
彼にしては非常にあっさりした内容に少し拍子抜けした。しかしメッセージは明快。一人一人依存しあうことない、独立した人間関係こそが、人々を幸せにする。このことを感じ取るだけでもこの本を読む価値は十分にあると思う。
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投稿日: 2004/7/14 投稿者: hiroko1104

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