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最後の命 (講談社文庫)
 
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最後の命 (講談社文庫) [文庫]

中村 文則
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

芥川賞受賞後、はじめての長篇小説。

浮浪者たちに輪姦されている精神薄弱の女・やっちりを目撃した私と友人・冴木。
夜の工場跡地で体験した、暴力の光景。後日、やっちりは死体となって発見される。
少年時代に体験したひとつの死。
二人の生き方は、成長するにつれだんだんと社会から逸れていってしまう。
ある日、大人になった私のもとに冴木から電話がかかり、二人は再会する。
数日後、私が自宅に帰宅すると自分の部屋の中で、ひとりの女が死んでいた。
それは、よく指名するデリヘルのエリコだった……。
心の闇、欲望、暴力とセックス、そして人間とは何か。
暴力と人間をテーマに描く芥川賞作家が全精力を傾け、ミステリアスな物語とスピード感あふれる文章で描き出した傑作長篇小説。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

最後に会ってから七年。ある事件がきっかけで疎遠になっていた幼馴染みの冴木。彼から「お前に会っておきたい」と唐突に連絡が入った。しかしその直後、私の部屋で一人の女が死んでいるのが発見される。疑われる私。部屋から検出される指紋。それは「指名手配中の容疑者」である。冴木のものだと告げられ―。

登録情報

  • 文庫: 232ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/7/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062767023
  • ISBN-13: 978-4062767026
  • 発売日: 2010/7/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By シネマA トップ500レビュアー
形式:文庫
 私は、一種の文学的ミステリーとして読みました。目一杯がんばって書いた作者の情熱が、ひしひしと字面から伝わってきた。ドストエフスキーや三島などの観念小説からの影響が濃厚に感じられますが、いささか青臭い。作者の理窟は、わかりやすいけど幼なすぎるのではないかしら。一人称の制約はあるものの、社会的な視野の偏狭さが気にかかる。しかし、ひと息に読ませる力がある書き手であることは間違いない。

《売れる小説を書いて、人生を謳歌してくれよ。俺の分までさ。》

 蛇足ながら、文庫版の解説はひどい。読みが浅いし、ふざけているのはいただけない。最近は文芸評論家も人材難のようですね。これでは、作者があまりにお気の毒。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By SORA
形式:文庫
「掏摸」「遮光」を読んで、三冊目に読んだ本です。
三冊とも、私をとらえたのは、世界を見つめる視線でした。
繊細で、優しくて、切実で、危うい。
作者の視線はいつも、さまざまな理由で
社会から必要とされない人々に向けられている。
作家という(社会的に認められている)立場から、
そういう低いところを見ているにも関わらず、
私は視線の高さをまったく感じなかった。

たぶん、この視線によりそう感覚をもつ人は、私も含めて、
そう多くはない。とても少ないかもしれない。
でも、作者が送るサインはそういう人に必ず届くと思う。
この完璧な集団社会の中で、毎日まともなふりをして、
バレないように必死でコントロールしながら生きている人たちに。
「なぜ、こんな人間になってしまったんだろう」
「死んだほうが世の中のためなんじゃないか」
と、一度でも生死をかけて問うたことがある人たちに。
まともな社会の一員なら、決して口に出して言ったり、
考えたりしてはいけないことを、堂々と書くことで。

文学がなぜ自分に必要なのか、あらためてわかった気がする。
このレビューは参考になりましたか?
形式:文庫
 自分の欲望を抑え切れないが故に、誰かを犠牲にしてまで、快楽を得なければ生きていけない人間。

 まさにそんな人間の犠牲となった者にとっては、
例えその人間が引きずっている過去や、抱いている苦しみが、どんなに長けれども、そんなに重いものでも、
知ったことではないように思います。

 加害者と被害者という構図。どちらが救われるべきかといえば、それは後者に決まっているでしょう。
けれど、この構図、そして悲劇が生まれてしまうまでには、その瞬間に行き着いてしまうまでの、変遷があるはず。

 例え加害者が何らかのかたちで罪を償った、という体裁を整えたとしても、その人間が、自身の辿ってきた轍から
完全に脱することなく、相変わらずその道を歩み続ける、ということになれば、またいつかどこかで、
悲劇は繰り返されるでしょう。

 その循環を食い止め、加害者を救うためには、様々なやり方や関係性であれ、誰かがその人間に、
手を差し伸べなければならない。

 まさにその手となっていたのが、この物語の主人公でありましたが、その手がもっと増えていき、大きくなり、温かくなって、
その人間を包み込めるものになっていく。それが合理的な手段であり、
加害者をも被害者をも生まない未来を作っていけるのではないかな、と思います。
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