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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
史上最大の未来史の夢想,
By 古来、人類の未来史を夢想した者は数あれど、これはそれらの中でも間違いなく最大級の作品です。未来の人類の姿と云うと、大抵の作家の場合、今日ある人類のイメージを未来世界の中に放り込んで描くパターンが殆どなのですが、ステープルドンの場合、人類はその長い生存の歴史の中で、肉体的、生物学的、心理的にも大きく変容を遂げて行きます。云うなれば、「人類」と云う概念によって意味されるものそのものが違ってくるのです。 1頁1頁丹念に進められてゆく奔放な未来社会の変遷の描写は、それだけで優にそれぞれ一冊の書物が書ける位の様々なアイディアに満ち満ちており、単にテクノロジーに於ける予想やストーリーテリングに頼った他の作家達の作品とは明らかに一線を画しています。 本書の邦訳はこれまで『世界SF全集31』所収の金星人類の一章があるのみ。これ程の書物が今迄きちんと訳されてこなかったこと自体が驚きです。いい出版社さえ見付かれば私が自分で翻訳して日本に紹介したい位です。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
史上最大空前絶後の人類20億年の未来史が遂に日本語に!!,
By
レビュー対象商品: 最後にして最初の人類 (単行本)
浜口氏がかの言語に絶するSF大作『スターメイカー』を訳してから十余年経つが、最近同書が復刊の運びとなった。これに併せて、世界観を同じくし、ステープルドンの処女小説である本書が、初版から74年も経ってからようやっと完全な形で日本に紹介されることとなった。クラーク、ベア、バクスター、ボルヘス、その他無数の大家達が絶賛し、オールディスが『十億年の宴』でウェルズと肩を並べさせた孤高の巨人のこの記念碑的大傑作が日本語で読める様になったのは実に喜ばしい限りで、二冊併せて、他の誰の追随をも許さない遙かな想像力の高みを読者は経験することになる。本書の魅力をひとつひとつ挙げてみても埒があかない。とにかくこれを読まずして何がSFか!訳文は手堅い感じで読み易い。これは内容自体の密度が元々かなり濃いので非常に有り難い。訳者あとがきにはステープルドンの生涯や作品、その作風等が20頁以上に亘って詳細に解説されており、恐らくこれが現在日本で唯一読める纏まった彼の紹介となるだろう。本書と『スターメイカー』によって、この今は忘れられた大作家とその偉業が日本の読書界に広く知られることを切に願う。
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人類の未来20億年の変容,
By レグルス (兵庫県神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 最後にして最初の人類 (単行本)
よくもまあ、こんな作品が眠っていたものです。30年にイギリスで書かれ、74年を経て日本語訳が出るとは…。巻末には訳者による作者紹介も充実しており、私のようにこの作者を知らない人にも親切な内容です。本作は未来人“最後の人類”のモノローグの形式をとり、20億年におよぶ人類の歴史が淡々と語られるとんでもない作品。 太陽系に知的生命体が2種もいるのは現在の目から見ると少々楽観的ですが、それでもそれぞれヒューマノイドではなく独自の生命形態を持っているところはさすが。 400ページもあるのに会話がほとんどないのも凄い。こういうこともあって、どうみてもフィクションなのに、一瞬ノンフィクションじゃないか、という最良のSFやメタミステリを読んでいて陥るような錯覚に浸ることができました。 ふつう未来史というと、ヒトそのものは変化せず、その周囲を変えていくのですが、本作が他の作品と違うのは、人類の変化そのものを追って行くこと。確かに火星人との戦争や地球外への移住なども描かれていますが、18期にもおよぶ人類の種としての変容・環境の変化と、それによる人類の動向の派生を描くことがあくまでもメインになっています。その意味でも、本書の厳密な意味での邦訳(直訳)は『最後(第18期)の人類と第1期人類』でしょう。敢えて響きの良いタイトルにしたのかもしれませんが、『最後にして最初の~』では日本語としても意味がおかしいでしょう。 アーサー・C・クラークやスィーヴン・バクスターに多大な影響を与えたことは間違いありません。この二人が好きな人なら楽しめること請け合いです。
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