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この作家は「書ける」。読みやすい。感動を誘う文体ではないが、流れるような文体の滑らかさがある。それは頭でっかちの知性を前提としている読みではあるが。東京大学哲学科の出身だけあって、ペダンティックな装いも忘れていない。何よりも本作では、アカデミックな世界の雰囲気をよく伝えている。いわく、出身大学と赴任大学、主任教授と平教員、助手の地位、女子学生との隠微な関係、女子教員との爛れた関係、教員と職員などなど。
その雰囲気の中で闖入する名探偵(!候補)の氷川透。そして突然名探偵の素質に芽生えた女子大生。2人の名推理が見物だ。第2名探偵の推理する空中楼閣は、あまりにも美しすぎて「最後から二番目の真実」であった。この題名は秀逸だ。
後期クイーン論(名探偵論)、ラッセルのパラドックス、ゲーデルの不完全性定理など、その方面に興味を持つ読者にも堪らない魅力だ。
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