「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」(ビスマルク)。
古来、どのくらい古来か分からないほどの古来から、人間は闘いを繰り返してきた。その果てに民主主義などのルールを作ってきた。現在はルールある中での闘いである。それが市場経済であったり、選挙であったりする。
さて、この本は、歴史の風雪に耐えてきた戦略の古典(孫子、クラウゼビッツ、マキャベリ)から、経営学、経済学(史)、はたまた革命や歴史の書物に至るまで、多くの分野の戦略の本を紹介する。著者の読み方、歴史的な位置づけ、現代における意味も述べられているので大変分かりやすく、読み物としても大変面白い。そしてこの分野を俯瞰するのにちょうどよいと思う。
闘いというものは、枠組みをどう考えるか(敵はどれだけいるのか(一つか、複数か)、決するべき時間はいかほどか(数時間のことか、数十年、数百年のことか)、土俵の大きさ(部屋の中か、大陸か))でおのずから変わってくる。その設定されるべき時空と相手によって変わってくるのだ。それを見誤ったとき、大いに失敗する。かつての日本軍のように。また、枠組みを疑ったり、無効にすることも戦略だ。なかなかそこまで思い至らない。特に日本人は。それが精神主義の根拠の一つと思う。
多分、この本を手引きにして「自分が必要と思われるもの」を選ぶ、というのがこの本の一番の利用方法だろう。願わくば、内容を絞って文庫などで出されんことを。通勤時に読むには辛い大きさだ。内容は星5つだが、それで星ひとつ減らした。