表紙写真を見ただけではさっぱりわからない、そんな作品。
最近の男の娘ブームで「男なのに魔法少女」という作品がいくつも出ているが、そういった作品の多くで「美少女と見紛うような美少年」が主役を張っている。
……この作品はそこが違うのが最大の特徴だろう。主役の夏岡アキラは、片思いの女の子がいるような普通の高三男子。変身後の姿は、魔法少女ものには定番の「お供の小動物」ヨンヨンにまで「正視に耐えん」と言われる始末だ。
しかも、これまた定番のはずの「正体に気付かれない魔法」は備わっていない。
しかし、変身アイテムの指輪はある目標を達成しなければ外れない。おまけに敵が接近すると自動で変身する。……これでは役目から逃げることはできない。
ヨンヨンに「なりきりチェンジ」(外見を変える魔法)をかけてもらってようやく外見の問題をクリアし、「最強魔法少女あきら」として戦うことになるが――。
アキラはあきらになっても中身はそのままだし、ヨンヨンは幼女好き+二次オタだし、ライバル役の魔法少女は黒いしで、萌えを期待する人には向かず、こういった要素をギャグとして楽しむ作品だと思う。
間違っても万人向けではなく、今ここに書いた内容に何か嫌いな要素が入っている人は回避した方がいいかもしれない。
また、ストーリーはこの1冊で完結しているのだが、途中、かなり端折ったようにも見ることができるのもマイナスだと思う。
他、巻末に別タイトルの読み切り1本+αがある。
読み切りは猫耳の○○(一応伏せます)との交流を描いた作品で、普通に和めるいいお話だと思う。……ただ、本編「あきら」のキモかったり黒かったりを楽しむのとは、方向性が違いすぎるとは言えそうだ。
敢えてマイナス面を並べたが、個人的にはまずまず楽しめた。これは私とこの作品の方向性が合っていたからだろう。
合わない人には全くお勧めしない。合う人なら600+税の価値はあると思う。