千葉で農事組合法人を設立し、代表理事を務める著者による農業を考える本である。日本の農業が置かれている状況を捉え、対応するために何をしているのか、何が壁になっているのかを語る。最後には、同法人に協力している若い農家の文章も掲載されており、著者とその仲間たちの意気込みを感じられる。
確かに農家を取り巻く情勢は厳しい。少子高齢化とはすなわち胃袋の減少に直結する。人に食べられる食べ物の量が減っていくのは確実なのだ。
一方で、農家も農業だけで生活出来るレベルに達するには億単位の投資をしなければならない。売上1千万ではとても農業への就業人口は増えず、日本の食料事情は少子高齢化以上に悪化してしまう。
そんな中で、農家に経営の論理を持ち込み、マーケットイン、確定申告、リサイクル、カーボン・ニュートラルといった概念を実践している農事組合法人「和郷園」の取り組みは素晴らしい。
トヨタのカイゼンも、元をたどれば農業のDNAが花開いたものと考えれば、あらゆる業界に参考になる取り組みではなかろうか。