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物語の舞台は、オキツモという実在の塗料メーカー。
TOC(制約条件の理論)を2000年に導入し、「儲ける集団」へと2年間で成長したプロセスを追っている。
『ザ・ゴール』で知られるように、TOCはもともと工場の生産効率を高めるための考え方。
それを会社全体に当てはめてみると、「儲け」を妨げる制約条件が取り除かれ、儲けの効率が高まるというのだ。
とはいえ、新しい経営手法の導入は、社員たちに何かと無理を強いるもの。
どれだけ優れた考え方でも、理論や理屈では!通らない状況が生まれ、泥くさい取り組みが次から次へと必要となってくる。
それだからこそ、本書はあえて小説のかたちで表現するしかなかったのかもしれない。
オキツモの社員たちも、最初から素直にTOC活動をスタートさせたわけではない。抵抗勢力や誤解はどこにでもある。
その点で本書は、TOCの考え方を紹介した本と違って、等身大の活動状況がわかる、妙にリアルな内容となっている。
著者はオキツモのCEO兼会長。自社のTOC活動を振り返り、山あり谷ありを誰に遠慮することなく描いたのだろう。著者の視点や表現は、従来のビジネス書と較べて一風変わっている。
今後は、この種のビジネス書も多く出てくることだろう。
本書を読んで、販売、生産、購買、開発の各職能間のインターフェースがうまく統合されていない組織は、他部門に責任の所在を求めがちであり、その議論の中からは何も生まれないことを再度確認した。スループットを増大させるという理解しやすい考え方のもと、組織を見直し、インターフェースのあり方を再構成する流れが克明に描かれていて大変参考になった。
大??業であれ、中小企業であれ、どんな企業でも抱えている慢性的な問題の解決に考え方の雛形として刺激のある本だと思う。
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