知らない人は何事かと思うでしょうが、「A」で初降臨したウルトラの父が、登場三分後にいきなり殺されるって、後世になって振り返ってみるとホンマどうかと思うのですよ。とってつけたような岸田森さんのナレーションだけで済まされる父の最期は、マニアでもその展開を心底褒める人ってあんまりいないのではなかろうかと。
ところがこの作品を見ると、そういった積年の欝憤も一瞬で晴れてしまいます。あの戦死の影にあった、宇宙帝王ジュダの復活と、息子であるタロウとの血の滲むような特訓の前には、あのザマも仕方のないことだろうと、むしろ激燃えな展開に見えるほどです。
前後しますが、この作品はその半分を過去の作品を切り貼りし、アフレコをつけ、残り半分を新しく撮り直して、完全なる一本の新作として作り上げた代物です。いかにも昭和の作品らしく、アクションと声優さんの演技が一致してない雰囲気もままありますが、それにしてもこれは良くできています。タロウの少年時代から戦士となるまでを丁寧に書いた脚本と、それにマッチするような過去映像のチョイスは神業クラス。
前述した父初登場のくだりも、ジュダの配下として現れたヒッポリト星人に倒される五兄弟を、タロウとの特訓で消耗した父が命がけで助ける名シーンとなって蘇っています。タロウの成長、そして最強戦士へと昇華されるくだりは、今現在のウルトラシリーズの根本とも言うべきもの。ウルトラファンを名乗るなら、この作品は一見の価値あり!
でも、最新作の「ウルトラ銀河伝説」とこの作品の「光の国」を比較してつっこむのは、ルール違反ですヨ?(笑)