2004年末に楽天イーグルスが誕生した際「50年ぶりのプロ野球新規参入球団」といわれて話題になりましたが、
その50年前の新規参入球団「高橋ユニオンズ」の短くも確かな足跡をまとめた貴重な一冊です。
以前から、わずか3年間しか存在しなかった高橋球団について興味はあったものの「スタルヒンが在籍した」
とか「プロ野球ニュースでおなじみの佐々木信也氏がルーキーで入団したチーム」といった最低限の知識しか
持っておらず、「野球小僧」誌での連載を楽しく拝読しておりました。
その連載記事が大幅加筆修正されて一冊にまとまったと知り購入。当事者達の証言を交えた切なくも楽しい
エピソードの数々に、読んでいて胸が熱くなってしまいました。
無責任なリーグ総裁らの言い分に翻弄されながらも、選手達を我が子のように愛した高橋龍太郎オーナーには
野球好きの一人として深く共感できるとともに、ちょっと羨ましくも感じました。自分のプロ野球チームを所有
するなんて野球好きにとっては究極の夢ですからね。
当時を振り返るOB達の多くが口を揃えて「弱かったけどいいチームだった」と話すのも、オーナーの情熱が
あったからこそだったのでしょう。
たった3年間とはいえプロ野球史に確かな足跡を残した高橋ユニオンズ。その記憶を後世に伝える本書は単に
資料として貴重なだけではなく、あらためて野球の楽しさ、野球のできる環境が存在する事のありがたさに
気付かせてくれる一冊です。