『これが最前線だ!』『最前線物語』に続く「最前線」シリーズの第3弾。最新の棋譜と筆者の精緻な研究の二本立てで前作、前々同様完成度の高い1冊。
2003年に発刊された前作と比べてみると振り飛車では四間飛車以外の項が増え、居飛車では8五飛車戦法の項が減少している。居飛車振り飛車両方とも後手盤からも積極的に動く戦法(ゴキゲン中飛車、手損振り飛車、8五飛車戦法、など)が多くなっていることも特徴的。そして今までなかった相振り飛車が新しく取り上げられている。
前々作からは約7年、前作からは約3年が過ぎており、この「最前線シリーズ」を通して読めば、その時々の戦法の流行と移り変わりが見え、一般的な定跡書とは異なる楽しみ方もできる。
現在のプロ将棋の最前線を取り上げたものであるので、基本的な定跡手順の説明はない。そのため、ある程度の定跡を把握していた方が本書を十二分に堪能できるだろう。前作のレビューで書かれていたが、本書でもアマ三、四段以上の棋力の方向けである。