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しかし『真夜中のデッドリミット』以降、正直泣かず飛ばずで新作などもう和訳などされないのだろうと見限っていた作家が、『ダーティホワイトボーイズ』からこっち、どの作品もヒット、的確な銃弾を標的のど真ん中に射抜いて、ここ数年のニュー・ハンター像をあまりにも強烈に打刻し続けている。
そんな中でいくつもの名シーンを作りつづけていたハンターだが、本作はシンプルで覚えやすい悪の帝国を密林と広大な湿地帯の向こう側に作り上げ、あまりにも印象的な対決の舞台を演出してのけた。タイトルの「場所」という言葉が表すとおりに、悪役は人以上にこの王国であり、ティーブズという町そのものである。敵である人間たち以上に、この場所そのものを消滅させるだけのパワーが必要になってくる。
古く懐かしい昔話の時代である数十年前の物語であり、その距離感がこのようなありうべからざる町の存在を許しており、そのような寓話的な敵である無法の町が、まるで西部劇に出てくる武装したメキシコ軍の砦のように手ごわい。囚われのみになるアールの章から、プロを集めてゆくシーン、そして舞い戻るアールたちの襲撃で終わる大団円。シンプルかつタフ。小説の面白さ、ドラマティック……そうしたものは、こうした描写力だけで十分だと言わんばかりに、戦いのシーンはまさにハンターの独壇場。
印象的だったのは、古い映画館の古いウエスタンのフィルムを買い集めるアールの姿。恋愛映画でも何でもいいのに、敢えてウエスタン映画をこだわりつつ集めてゆくアールと、そのフィルムが戦闘にもたらす効果の驚愕! 作家的遊び心までたっぷりと堪能できる、やっぱり有無を言わさぬ骨太の大作なのである。
まあ、きっと古き良き時代のガンマンへの思い入れがあるんでしょうねぇ。
そうなると、ベトナム戦争で活躍したボブより、第二次世界大戦で活躍した
アールへ気持ちが傾くのも仕方が無いかなぁ~と言う感じもします。
『悪徳の都』から続くアールの物語なんで、『悪徳の都』を読んで
面白かった方は、間違いなく楽しめます。
ちなみに、『最も危険な場所』が最新作で書評の方にも、新作の話が少し
出ています。早く読みたいですね。
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