全般に可愛らしい絵柄で構成されており、
良くも悪くも女性向けな内容になっています。
曹植を中心とした曹兄弟メインで話は展開し、
曹兄弟の兄弟愛にウエイトがおかれています、
そのため曹操旗下ではちょい役で荀'ケぐらいしか登場せず、
有名な夏侯惇や張遼などと言った有名武将は登場しません、
魏ですらそうなのですから、蜀や呉の連中は全く出番がありません。
詩文に打ち込むあまり女性が苦手で非力な曹植、
皆に愛される曹沖、腕っ節自慢でがさつな曹彰、
平均してなんでもデキるが、
武では曹彰に劣り、文では曹植に劣る突出した物が無いが故に、
少々屈折してしまった様な曹丕、
曹植の甄氏への想い…などなど、
ある意味定番、ある意味ベタな設定ではあるのですが、
クドさを感じる様なことはなく、
比較的さっぱりと読ませてくれます。
どちらかと言うとドタバタのコメディ要素が強く、
正史や演義で書かれている様な権力闘争にはなっておりません。
また、本作以外では書かれることすら殆ど無い、
曹植と仲の良かった曹彪などは、
主人公と距離が近いためか出番がふんだんにあり、
飽きさせない目新しさは盛り込まれています。
しかしながら、フィクションなのは百も承知ですが、
実際の曹植は男は戦場にあってナンボ、と言う様な価値観で、
曹操と共にではあるものの従軍経験はそれなり以上にあり、
また、作中で描かれている様な詩に没頭すると周囲が見えなくなると言うよりも、
己に興味のあること以外を軽んじる性格で、
実際は曹丕の方が詩文を重んじる傾向なのですが、
作中では残念ながらこの辺が殆ど描かれず、
良くも悪くもステレオタイプの書き方になっており、
浅さを感じてしまうのも否めません。
サラリと読めるのは良いのですが、
物足りなさを感じてしまう面があるのはちょっと残念です。