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この『書斎の寝椅子』は、岩波のPR誌「図書」に連載されたエッセイを集めたもので、私も十数年間『図書』を定期購読していたのでよく読んでいました。
俳句の著作も多い滋氏の短くて切れ味の鋭い文章は、本当に上手でエッセイのお手本のようです。後書きの文に「書棚に並んでいる本を見られるのは、なんだかこちらの人格から心底までもみすかされるような気がして、いやである」とあり、まさしくその通りだと一人で相槌を打っていました。
香織さんは「(父から)会話に使う言葉は厳しくしかられた。正しく美しい日本語を書くことに執着している」と、書いています。彼女の作品は、それを忠実に守り、かつ鋭い感性を兼ね備えたので「直木賞」の受賞につながったのでしょう。
江國滋氏は、残念なことに、62歳の時、食道癌で亡くなられました。辞世の句は「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒」でした。(1934~1997 酒を愛し、落語好きの阪神ファンでした)
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