この作品のレビューはほぼ例外なく高い。1971年というかなり昔でありながら、映画として様々な革新的なことが既に試みられていることを感じ取られるからだという。これは、さまざまな同時代作品等を見て俯瞰できるかなり見地の高い意見だと感じる。玄人には見ごたえがある映画なのかもしれないが、素人の私にはさっぱりだった。
退廃的な雰囲気が全体を覆う。青森から、東京へ引っ越してきた祖母、父、大学生の本人、妹が線路沿いの貧しげな家にすむ。
始まりも終わりも、主人公の青年のモノローグであるが、正直突き刺さる言葉はなかった。感じたのは、いつの時代であれ、生きることには老若男女を問わず苦しみめいたものがあり、それを時代の雰囲気に幾分かの責任を負わせ楽になろうとしていることだ。40年後にいる私は、おそらく高度成長期まっただ中でこんなに堕落的にならなくても良かったのにと感じる。効果的な不安の処理方法が、人間にとっては解決の困難なテーマなのかもしれない。
妹がサッカー部員に輪姦されたり、ウサギが隣人に殺されたり、三輪明宏が入浴シーンで登場したり、セーラー服の女性と数名が一斉にヌードになったり、いくつものセンセーショナルなシーンが出てくることで、当時は倫理的にもかなり話題になったと推察されるが、今となっては扇動という感覚を持つだけである。
音楽もおどろおどろしていて、気分の良いものではなかった。
これは観る人を選ぶ映画であり、私はその一人ではないということだ。