内容紹介
「今のわれわれのほとんどすべては、
ここにいたるまでのわれわれは文学の賜物、
というのがあなたの説。
もし書物が消滅したら、
歴史は消滅する、人間も消滅する、と。
その通りだと思います。
書物はわれわれの夢や想い出の気まぐれな寄せ集めに尽きるものではありません。
自分を越えてゆくためのモデルも提供してくれるのです。
読書は一種の逃避、
〈現実の〉日常世界から想像の世界への、
書物の世界への逃避としか考えない人もいます。
書物はそんなものではありません。
本当に人間らしくなるための手段なのです」
(ボルヘスへの手紙)。
ソンタグは彼女の敬愛したロラン・バルトと並び、
われわれの時代にあって、
つねに挑発性のきらめく〈花のある批評家〉であった。
二人は共に、未知の新しい獲物をいつも追い求めた。
それは『反解釈』『ハノイヘの旅』から『隠喩としての病い』『火山に恋して』にいたるまで、
彼女の多面的な仕事に一貫する姿勢であった。
他の誰もが気づかなかったものへの鋭い視線、
先駆的で目覚ましい探求心がどのエッセイにも満ちている。
読むことと見ることを通して
人間と世界を洞察する営為――ヴァルザーや
ゼーバルト、ファスビンダー、オランダ絵画、文楽など、
本書所収の長短18篇のエッセイはその明らかな証左である。
内容(「BOOK」データベースより)
漱石に比すべき大作家マシャード・デ・アシス紹介から長尺のバルト追悼、ボルヘス、ホジキン論まで。つねに華やかで挑発的な存在であり続けた批評家の軌跡。